【バチカン12月4日CNS】教皇フランシスコが設置していた女性助祭について検討する委員会は、女性を助祭に叙階する可能性について投票した結果、反対を表明したが、この案件について、さらに検討することも支持した。
同委員会は、女性の他の奉仕職への参与が拡大されることへの期待も示している。
教皇フランシスコは2020年に、新約聖書と初期キリスト教共同体での女性助祭の歴史を調べていた既存の調査班に続いて、「女性助祭職についての検討委員会」を設置した。
バチカンは12月4日、同委員会による検討結果の概要を公表し、8項目の論題についての委員会内の投票結果についても示した。
委員会のメンバーの意見が二つに割れたのは、「キリストが男性であること」についての論題だった。「キリストが男性であることは、そして、それに従い、聖なる叙階を受ける者が男性であることは、偶然ではなく、秘跡のアイデンティティー(本性)の一部であり、キリストにおける救いの神聖な職制を保つことを意味する。この現実を変更することは単なる奉仕職の調整ではなく、救いの婚姻的な意味の破棄につながりかねない」
この論題についての投票が今年2月に10人のメンバーの間で行われた際には、現在の形を確認する賛成票を投じたのは5人で、他の5人は反対票を投じた。
2022年7月の同委員会の第2回の会議では、メンバーは7対1で、次の論題に賛成していた。「歴史的調査と神学的検討、その相互の関連性に基づく現段階の結果では、聖なる叙階の一段階としての助祭職に女性を叙階する方向に進む可能性は排除される。聖書と聖伝、教会の教導職に照らせば、この評価は強固に維持されるが、現時点では、司祭叙階の場合と同様の形で、決定的な判断として定式化することはできない」
同委員会は21年には全会一致で、新たな奉仕職の制定への支持を表明していた。「そのような奉仕職の制定は、男女の間の協力関係の向上に寄与する可能性がある。その実現に当たっては、適正な形の(神学、実践面、秘義についての)養成の展開と支援が求められる」
