【ハリッサ(レバノン)12月1日CNS】教皇レオ14世は12月1日朝、高さ8メートルのレバノンの聖母像が屋根にそびえる巡礼聖堂で、戦争と不正義と苦しみを耐えるレバノンの信者たちの揺るぎない信仰の証しに耳を傾けた。
教皇がこの日を始めたのは、アンナヤの聖マロン修道院にある聖サルベリオ・マクルーフ司祭の墓前だった。その雰囲気から、特に困難な時に沈黙の祈りがささげられる場として知られている。
教皇レオは祈りのうちに、レバノンのカトリック信者と同国を聖サルベリオの保護に委ねた後、ハリッサのレバノンの聖母巡礼聖堂に移動し、しばしば聖サルベリオがしたように、人々の心の叫びを聴いた。
その証しは、マロン典礼教会の司祭によるシリア難民の窮状から、修道女による親イラン民兵組織ヒズボラの拠点がある地で学校を運営する苦難とキリスト者とムスリム(イスラム教徒)の協力、フィリピンからの移住労働者で今は難民救援に携わる女性が語る「戦争だけでなく裏切りや見捨てられたことによって心敗れ、全てを故国に残して来た人々」を支援する働き、刑務所で教誨(きょうかい)師を務める司祭による「キリストの光」の存在についてだった。
愛が育つのは「強くて深い根から」
教皇レオ14世は、そうした証しに応えて、こう話した。19世紀の聖サルベリオと同じく今日でも、「イエスの十字架の下にたたずむマリアと共にあることによって、私たちの祈りは、心と心をつなぐ見えない橋のように、たとえ武器のごう音に囲まれ、日々の生活に必要な物を得ること自体が挑戦になってしまっていても、私たちに希望を保ち、働き続ける力を与えてくれます」。
教皇レオは集まった約2000人の司教や司祭、修道者や司牧奉仕者に語りかける。「私たちが平和の実現を望むのなら、私たちは天にしっかりと方向を定めて、つながっていかなくてはなりません」
「過ぎ去ってしまうものを失うのを恐れることなく、私たちは愛しましょう。そして惜しみなく与えましょう」と教皇は続ける。「愛が育つのは、こうしたレバノン杉のように強くて深い根からです。神の助けを得て、具体的で持続的な連帯の働きが日の目を見るのです」
教皇レオ14世は集いの後、ハリッサの教皇庁大使館で、中東全域のカトリック教会の総大司教たちとの非公開の会見を行った。

