教会一致への決意を再確認 教皇、トルコ訪問最終日に

【イスタンブール(トルコ)11月30日CNS】教皇レオ14世はトルコ初訪問で一貫して強調してきたように、訪問最後の朝も、カトリック教会の教会一致を求める決意を再確認した。
 その重要な象徴は、教皇が11月30日、東方正教会コンスタンチノープル総主教バルトロマイ1世がイスタンブールの同総主教庁の聖ゲオルギオ大聖堂で司式した「聖体礼儀」(ミサに相当)に臨席したことだった。当日は、同総主教庁の保護者である聖アンデレ使徒の祝日。
 歴代教皇と同総主教は過去数十年間、互いの守護聖人の祝日に使節を派遣してきた。バチカンでは6月29日に聖ペトロ聖パウロ使徒の祝日、コンスタンチノープルでは11月30日に聖アンデレの祝日が祝われる。
 聖ペトロと聖アンデレは兄弟で、12使徒の中で最初にイエスに従った。
 「聖体礼儀」の後、教皇レオとバルトロマイ1世は同大聖堂のバルコニーに現れ、共に大聖堂の前に集まった人々に祝福を送った。
 バルトロマイ1世総主教は教皇レオのトルコ訪問で、ほとんどの日程に同席していた。27日の首都アンカラでの政府首脳との会見への臨席から、28日にはニケア公会議開催1700年の記念を主宰し、29日の教皇司式のカトリック共同体とのミサにも出席した。
 教皇レオ14世は30日の聖ゲオルギオ大聖堂での典礼で、過去60年間にカトリック教会と東方正教会がたどってきた「和解と平和と交わりの発展の道のり」について話した。
 親密さを増してきた両教会の関係は、「頻繁な接触と友好的な会談、有望な神学的対話を通して育まれてきました」と教皇は指摘する。「そして今日、私たちは完全な一致の回復へ向けて、より一層の献身を求められているのです」

11月30日、コンスタンチノープル総主教庁の聖ゲオルギオ大聖堂でささげられた
「聖体礼儀」の後、教皇レオ14世とバルトロマイ1世は同大聖堂のバルコニーに
現れ、共に大聖堂の前に集まった人々に祝福を送った (CNS photo/Lola Gomez)



 一致はたまものの分かち合い 「吸収でも支配でもない」

 教皇レオは「聖体礼儀」でのあいさつで、こう確認した。「第2バチカン公会議と私の前任者たちの教えから引き続いて」、キリスト者の間の完全な一致の探求は「カトリック教会の最優先事項の一つです。特に、それは私のローマの司教としての優先事項の一つなのです。その普遍教会における明確な役割は、全ての人に奉仕し、交わりと一致を築き上げて守ることにあります」。
 バルトロマイ1世総主教は「聖体礼儀」の説教で、東方正教会の教会一致への決意を再確認し、全てのキリスト者が共に環境保護と戦争の終結のために力を尽くすよう呼びかけた。
 「私たちはウクライナや世界各地で起こっている流血に加担することはできず」、聖地の「キリスト教の揺り籠からキリスト者が脱出していくのを前にして沈黙を保つこともできません」と同総主教は訴えた。
 教皇レオ14世のトルコ訪問最終日の日程は、イスタンブールのアルメニア使徒教会大聖堂を訪問し、同教会コンスタンチノープル総主教のサハク2世マシャリアン大主教にあいさつすることから始まった。
 ニケア公会議開催1700年と「ニケア信条」の基礎を形成した信仰宣言の記念によって確認できるのは、「私たちはこの共通の使徒的信仰をよりどころとして、最初の数世紀の間にローマの教会と古代の東方諸教会の間にあった一致を回復しなければならないということです」と教皇は強調した。
 「私たちはさらに、完全な一致を回復するために、初代教会の体験から促しを得なければなりません」と教皇は続ける。目標は「吸収または支配を意味しない交わりで、むしろ私たち諸教会が聖霊から受けたたまものを分かち合うことなのです。それは御父である神の栄光とキリストのからだを築き上げることのためです」。

11月30日、イスタンブールのアルメニア使徒教会大聖堂を訪問し、
同教会コンスタンチノープル総主教のサハク2世マシャリアン大主教に
あいさつする教皇レオ14世 (CNS photo/Lola Gomez)
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