【イスタンブール(トルコ)11月29日CNS】教皇レオ14世は11月29日朝、トルコのキリスト教指導者たちに、2033年にエルサレムで、イエスの死と復活から2000年を記念して共に集まりたいとする願いを伝えた。
教皇はさらに、午後に発表した東方正教会コンスタンチノープル総主教バルトロマイ1世との共同宣言で、東方と西方のキリスト者に向けて、復活祭を共通の日付に祝う最終的な合意を呼びかけた。教皇と同総主教は共に、戦争の終結も訴えている。
前日に、ニケアがあったイズニクで諸教会の指導者と共に、「ニケア公会議」の開催と全ての主流派キリスト教会が唱える「ニケア信条」の確定から1700年を記念した両者は29日朝、イスタンブールのシリア正教会モール・エフレム教会で、同じ諸教会指導者との非公開の会見に臨んだ。
教皇庁広報局によると、教皇レオは諸教会指導者たちに、2033年にエルサレムで聖年を共に祝うことを提案したという。
教皇が望む記念の場は、「イエスが弟子たちと最後の晩さんを行い、弟子たちの足を洗って、後に聖霊降臨があった『二階の広間』」だと同広報局は明らかにした。ただ、その実現には、諸教会指導者たちが完全な一致への努力で進展を示す必要がある。
教皇レオ14世は同日の夕方、再びバルトロマイ総主教と合流し、コンスタンチノープル総主教庁の聖ゲオルギオ大聖堂で、神を賛美する「光栄讃詞」(栄唱)の礼拝を共にした。
「昨日そしてまた今朝、私たちは特別な恵みの時を体験し、信仰のうちの兄弟姉妹と共に、第1ニケア公会議1700年を祝ったのです」と教皇レオは礼拝で語った。
「その非常に重要な出来事を思い起こすことによって、そして、ご自分の全ての弟子が一つになるようにとのイエスの祈りに促されて、私たちは全てのキリスト者の間の完全な交わりの回復を求める取り組みに力を得ています。それは私たちが神の助けを頂いて果たす務めなのです」と教皇は強調した。
目標は同じ日の復活祭と平和への貢献
ニケア公会議は、全てのキリスト者が共通の日に復活祭を祝うため、春分の日の後の最初の満月の後の日曜日と定めていたが、当時から今まで東方教会が採用するユリウス暦では春分の日と実際の北半球の春分にずれが生じるため、後にグレゴリオ暦を採用した西方教会と日付が異なる事態になっている。東西で同じ日になることもあるが、東方教会で4週間も後になることがある。
聖パウロ6世教皇からレオ14世までの全ての教皇は、カトリック教会は東方教会からの復活祭を共通の日に祝う提案を受ける用意があると宣言してきた。
教皇レオ14世とバルトロマイ総主教は共同宣言で、ニケア公会議の記念で、「一致に向けた道程で新たな勇気ある一歩」が促され、復活祭の共通の日取りの設定も進むはずだとしている。
「私たちは今年、全キリスト教世界が同じ日に復活祭を祝えたことで、神のみ摂理に感謝しています」と両者は強調する。
「私たちが共にしている願いは、毎年の最も重要な祝日を共に祝うために可能な解決策の模索を続けていけることです。私たちが願い、祈るのは、全てのキリスト者が『あらゆる知恵と霊的な理解を結集して』、私たちの主イエス・キリストの栄光の復活を共に祝うまでに至るプロセスに献身することなのです」
教皇とバルトロマイ総主教は、キリスト教の目標は、全ての人の間の平和に貢献することにもあると宣言している。
「私たちは共に強く声を上げて、私たちの世界の上に神の平和のたまものを願います」と両者は述べている。
「悲劇的なことに、私たちの世界の多くの地域で、紛争と暴力があまりにも多くの人々のいのちを破壊し続けています。私たちは行政と政治で責任を担う全ての人に訴えます。できる限りのあらゆる手段を尽くして、戦争の悲劇をすぐに止めてください。そして全ての善意の人に、私たちの嘆願への支持をお願いします」

