【ローマ10月28日CNS】世界は平和と、権力の乱用や法の支配の無視が終わることを渇き願っている、と教皇レオ14世は世界の諸宗教指導者との平和の祈りの集いで強調した。
ローマの巨大なコンスタンティヌス帝の凱旋門の前に数十人の諸宗教指導者と共に立った教皇レオは、「戦争はたくさんです。死と破壊と追放によって苦しみが募るだけなのです」と訴えた。
「私たちは戦争と権力の横暴に傷つく歴史のこの時期を終わらせ、新たな時代を開かなくてはいけません」と教皇は10月28日、呼びかけた。
「こんな時が続いていいはずがありません」と教皇は続ける。「もうたくさん。これは貧しい人と地球の叫びです。もうたくさんです。主よ、わたしたちの叫びを聞いてください」
屋外での祈りの集いは、ローマに本部を置く信徒活動団体「聖エジディオ共同体」が毎年主催している「平和のための対話と祈りの世界集会」を締めくくるものだった。1万人以上が10月26日から28日まで講演会や行事などに参加した。
「平和は全ての政治の最優先事項」
「世界は平和に飢え渇いています。真実で確かな和解の時代が必要なのです。権力の乱用や示威行動、法の支配への無関心を終わらせるのです」と教皇レオは、あいさつの中で呼びかける。
「私たちはここに共に集まって、和解のメッセージを告げ知らせます」と教皇は続け、戦争は問題と向き合うことや解決のためには何の役にも立たないからだと説明する。
「祈らない人たちは宗教を悪用してしまう危険を冒しています。殺人にさえもつながってしまうのです」と教皇は警鐘を鳴らす。祈りは「言葉を叫ぶことではなく、示威行動でも、神の被造物に対する宗教的なスローガンでもありません」。
「戦争は絶対に聖なるものではなく、平和だけが神聖です。神のみ旨だからです」と教皇は強調する。
教皇レオ14世は続ける。「祈りは霊の動きで、心を開くことです」。歴史を変えることさえできる。「祈りの場が、出会いや和解の聖域、平和のオアシスとなりますように」
「和解の文化は、現在の新たな時代を不可能だと思わせる無力感のグローバル化に打ち勝つことでしょう」
「戦争を終わらせることは、政治的な責任を負う全ての人が神のみ前で果たすべき先延ばしのできない務めです」と教皇は訴える。「平和は全ての政治の最優先事項です」
宗教指導者として、「私たちは徹底して平和を求めます」と教皇は語気を強めた。
教皇レオ14世が参加した最後の儀式では、コロッセオの内部でのキリスト教諸教派による合同の祈りがあった。
諸教会の代表と共に、教皇レオは、「人類がいまだかつてないほどに必要としているのは、平和を実現する人です」と訴えた。
教皇は全てのキリスト者に向けて呼びかける。心を一つにして、「神の愛の力に満たされましょう。それは、人間にはできないと思われることを可能にする愛です」。

