【バチカン10月5日CNS】教皇レオ14世は「世界で反ユダヤ主義的な憎悪が高まっていること」に懸念を表明し、特に英国中部マンチェスターで10月2日、発生したユダヤ教の会堂での「テロ攻撃」で男性2人が死亡したことに言及した。
マンチェスターの会堂でテロ攻撃が発生した当日は、ユダヤ教で最も神聖な日とされる「ヨム・キプル」(罪のあがないの日)だった。警察に射殺された襲撃容疑者は車で群衆に突っ込み、ユダヤ教徒の男性2人を刺殺していた。
教皇レオ14世は10月5日、バチカンのサンピエトロ広場でささげた聖年の「移住者の祝祭と宣教者の祝祭」のミサ後、参加者と共に「お告げの祈り」を唱える前に、このテロ攻撃を非難した。
ガザの停戦交渉の成功も願う
イスラム組織ハマスによるイスラエル南部への奇襲攻撃を受けてイスラエル軍によるパレスチナ・ガザへの大規模攻撃が始まってから2年を迎える直前に、教皇は広場に集まった人々に語りかけた。「私はガザのパレスチナの人々のとてつもない苦しみに悲しみを覚え続けています」
教皇は続ける。それでも「最近になって、中東地域での悲劇的な状況の中で、和平交渉について重要な前進が見られ、私はそれによって望ましい結果ができるだけ早く得られることを願っています」。
6日にも、イスラエルとハマスの代表が仲介国エジプトで会談し、米国のドナルド・トランプ大統領によるガザでの和平案で双方の合意を目指す交渉を始める予定になっている。
「私は全ての責任ある人々に、停戦と人質の解放を実現するために、この道に力を尽くすよう求めます」と教皇レオは呼びかける。「それと同時に、私は全ての人に、祈りのうちに一致を保つよう促します。今続けられている努力が、戦争に終止符を打ち、私たちを公正で恒久的な平和に導いてくれますように」
教会が伝統的にロザリオの祈りにささげてきた10月に当たって、教皇レオ14世は全てのカトリック信者に向けて、こう促す。「私たちの平和のための祈りを強めましょう。それは戦争にひどく苦しめられている人々との目に見える連帯を示す祈りです」
