【ローマ5月25日CNS】教皇レオ14世は5月25日、ローマ教区カテドラルで初めてのミサをささげ、交わりは何よりもまず「へりくだって」祈ることと絶えず回心に向かうことによって築かれると指摘した。
レオ14世は前教皇フランシスコの姿勢を改めて強調し、初めに聖霊に耳を傾け、その上で「私たちの兄弟姉妹である」他者に耳を傾け、理解し合うことを勧める。
教皇レオ14世は同日、ローマの司教として着座した同教区カテドラル、ラテラノの聖ヨハネ大聖堂でのミサ説教で語った。
レオ14世は同日午後、ローマ市内の同大聖堂に乗用車で到着し、ミサの初めに大聖堂内の後陣で大理石の司教座に座ることで、公式にローマ教区司教として着座した。

「聴くこと」の大切さを説く
教皇のミサ説教は当日の朗読箇所について触れ、特に聴くことの大切さを強調する内容だった。
第一朗読は「使徒言行録」(15・1~2、22~29)で、使徒パウロとバルナバはエルサレムの教会の権威を認めて出かけて行き、異邦人の改宗者がモーゼの律法を全ては守らない形のキリスト教を信仰できるかという問題の解決を目指す。
「これは簡単なことではありませんでした。相当な忍耐と互いに耳を傾け合うことが求められたのです」。そしてエルサレムにいたペトロと使徒たちは聴く姿勢を持っていたと教皇レオ14世は指摘する。
その対話によって、使徒たちは「正しい決断に至ります」と教皇は続ける。神の声に耳を傾けた結果だった。
「このようにして分かるのは、交わりは何よりもまず『ひざまずいて』祈ること、絶えず回心に向かうことによって築かれるということです。この姿勢を保つことによってだけ、私たちは霊が叫ぶ『アッバ、父よ』(ガラテヤ4・6)という声を聴くことができ、その結果として、私たちの兄弟姉妹として他者に耳を傾け、理解し合うことができるようになるのです」と教皇は説く。
「まさにこのことによって、私たちはもっと福音によって引き寄せられ、変えられることによって、さらによく福音を告げ知らせることができるようになり、霊の力によって心を清めていただき、私たちの言葉は率直になるので、望みは誠実で清明になり、私たちの行いは惜しみないものとなります」と教皇は付け加えた。
「共に歩む」教区の民に感謝
教皇レオ14世はミサの後、ラテラノの聖ヨハネ大聖堂のバルコニーに現れ、同大聖堂前に集まった大勢の人々に短くあいさつし、5月8日の教皇選出の際と同じく、「あなたがたに平和があるように」と言葉をかけた。
希望の聖年は、世にあってキリストの希望の生きた証人となるよう信者たちを励ましていると教皇は指摘する。「戦争と暴力と貧しさによって、ひどく苦しんでいる世界です」
「共に歩んでくださってありがとうございます。私たちは共に歩んでいきましょう」と教皇は信者たちに呼びかけた。
教皇レオ14世はその後、パパモービレ(教皇専用車)に乗り込み、同じくローマ市内の教皇大聖堂である聖マリア大聖堂に移動し、同大聖堂内の礼拝堂で聖母子イコン「ローマ市民の救い」の前で崇敬の祈りをささげた。
教皇は祈りと祝福の後、前任者の教皇フランシスコの墓前に立って祈り、一輪の白いバラを手向けた。
その後、教皇レオ14世は同大聖堂前に集まった人々にあいさつし、こう言葉をかけた。「この大聖堂の前に来てくださってありがとうございます。この午後、この夕べ、ローマ教区の教区民として皆さんはここに集まり、皆さんの新しい司教がいることを祝っています。ここで皆さんと会うことができて、とてもうれしいです。皆さんに心から感謝します」
