【ローマ5月20日CNS】神の愛といつくしみと恵みが教皇を含む全ての人の召命の基礎にあると教皇レオ14世は指摘する。
「私たちは主に、主の愛を育んで広めるための恵みを願い、互いに愛し合う真の隣人となりましょう」と教皇は5月20日、ローマの城壁外の聖パウロ大聖堂での祈りの説教で、前教皇フランシスコの言葉を言い換えて呼びかけた。
「私たちはこぞって、その愛を実践しましょう。迫害者だった聖パウロを『すべての人に対してすべてのもの』(一コリント9・22)として、殉教にまで至らせたキリストとの出会いに倣うのです」と教皇レオ14世は付け加えた。
レオ14世はバチカンのサンピエトロ広場で就任ミサをささげた2日後、聖パウロ大聖堂を訪れ、聖人の墓前で祈った。教皇選出後にローマの教皇大聖堂を訪れる慣例の一環。25日にはローマ教区の司教座があるラテラノの聖ヨハネ大聖堂と、聖マリア大聖堂を訪れる。
教皇が聖パウロ大聖堂内に入ると人々は声援と拍手を送り、教皇から祝福を受けた。教皇は聖パウロの墓に至る階段を下りて、墓前でひざまずいて短い沈黙の祈りをささげた。
同大聖堂内での祈りは、「異邦人の使徒」と呼ばれた聖パウロにささげられた。使徒パウロは地中海沿岸中部と東部の人々に福音をもたらし、福音宣教への熱意と宣教精神の模範を示した。教皇は同大聖堂訪問が「この新たな教皇職の始まりを使徒のとりなし」に委ねるためだったと説明した。
自由意思からの「信仰による従順」
教皇レオ14世の説教は、聖パウロの「ローマの信徒への手紙」の冒頭の一節から読まれた箇所について掘り下げる。使徒は主への完全な従順とイエスが行う神の義化のわざへの信仰を宣言する。
聖パウロは神から自身の召命の恵みを授かり、「自らのキリストとの出会いと宣教活動は神が先に与えてくださった愛の実りであり、福音から遠く離れていて教会を迫害していたにもかかわらず、神が新たないのちへと呼び寄せてくださったことを認めました」と教皇は指摘する。
聖パウロが「信仰による従順」(ローマ1・5)について語る時、使徒はダマスコへの途上で自身に起こったこと(使徒言行録9・1~30参照)について言っているのであり、パウロに現れた主は「使徒の自由を奪うことはありませんでした」と教皇は続ける。「主は彼に困難を伴う従順と内的そして外的な苦闘を受け入れる決断を下す機会を与えたのです。パウロはその試練を受け入れました」
「救いは魔法のようにではなく、恵みと信仰が互いに織り成す神秘から来ます。神が先に愛してくださることへのわたしたちの信頼と自由意思からの従順によっているのです」(二テモテ1・12参照)と教皇は付け加えた。
「ここに、あらゆる使命の素朴で固有の根源があります。私自身のペトロの後継者として、パウロの宣教への熱意を引き継ぐ者としての使命も同じです。主が私に、主の呼びかけに忠実に応える恵みを与えてくださいますように」とレオ14世は説教を結んだ。
