教皇の一般謁見講話 きょうだい愛は主の教え

【バチカン11月12日CNS】キリスト者であるとは、あらゆる人を兄弟姉妹として認め、いつでも助けの手を差し伸べる心構えができていることを意味する、と教皇レオ14世は説いている。
 「兄弟姉妹たちは苦難の時に互いに支え合い、苦しんでいる人に背を向けることはなく、共に泣いて喜び、一致と信頼と相互の助け合いを行いによって求めます」と教皇は11月12日、バチカンのサンピエトロ広場で開いた一般謁見で強調した。
 一般謁見で聖年のテーマ「イエス・キリスト―私たちの希望」について講話を続けている教皇レオ14世は今回、「互いに愛し合いなさい」(ヨハネ15・12)とイエスが弟子たちに命じたことについて話した。
 人間関係は人生を支えて豊かにし、難局を乗り越えて成長し、学んでいけるようにしてくれる、と教皇はイタリア語による講話で指摘する。「私たちが自分自身の中に閉じこもってしまえば、孤独感に苦しむことになり、自分の利益になる相手としか関わらないナルシシズムにさえ陥ってしまうことになります」
 教皇は続ける。それに対して、きょうだい愛は「キリスト教の本質的な特徴です。キリスト教は、その始めから、決して排他的にも限定的にもならず、全ての人の救いのために福音を告げ知らせてきたのです」
 神の息子たちと娘たちとして、全ての人が互いに兄弟姉妹であることは明白だと教皇は強調する。

 互いの尊重とケアで競い合うこと
 
 戦争と分断によって引き裂かれている世界にあって、「地理的、文化的、宗教的、または教義的な出自にかかわらず、アッシジの聖フランシスコが全ての人に向けたあいさつである『兄弟の皆さん』を再考することが、今日、これまでに増して緊急に必要になっています」。
 これは「聖フランシスコが全ての人を同じレベルに置くために用いた包括的な言い方でした。それはまさに、聖フランシスコが、全ての人のうちに、共通の尊厳と対話と受容と救いを認識していたからにほかなりません」と教皇は説明する。
 教皇レオ14世は自ら読み上げた英語による講話の要約で指摘する。アッシジの聖フランシスコは、「誰もが同じことを求めているのを理解していました。尊重され、受け入れられて、話を聞いてもらい、救われることです。まさに、これこそが良い知らせであり、私たちのキリスト教の核心的な信条なのです。神の救いの愛は全ての人に向けられていて、例外はないのです」。
 教皇はポルトガル語圏からの巡礼者たちに、こう語りかけた。復活された主イエスは弟子たちに、「目に見える行いと言葉と働きで、きょうだい愛を生きることを求めておられます」。
 教皇は付け加える。キリスト者に求められているのは、「互いに尊重し合い、世話をし合うことに努める中で、いつも競い合うことです」。
 教皇レオは英語による講話の要約の最後に、こう祈った。「主が私たちをあらゆる利己主義や分裂から解放し、主の全ての人に対する惜しみない愛に忠実に倣うことができるという希望のうちに私たちを新しくしてくださいますように」

11月12日の一般謁見の前、バチカンのサンピエトロ広場にパパモービレ(教皇特別車)で到着した教皇レオ14世(CNS photo/Vatican Media)


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