聖霊降臨の主日 6月8日 ヨハネ 14・15ー16、23bー26 または 20・19ー23 または 20・19ー23 聖霊のたまものを頂ける条件

 聖霊降臨の主日はイエス様がわたしたちに送ってくださると約束された聖霊が降ったこと、また、わたしたちが属している教会が聖霊によって誕生したことを記念します。
 さて、今日の第1朗読(使徒言行録2・1-11)は教会が聖霊によって始まったことを伝えています。まだユダヤ人を恐れて、弟子たちが皆で集まって静かに祈っていた時、聖霊が彼らの上に降ってきました。すると、使徒たちはこれまで話したことのない国々の言葉で神の業を説き始めました。人々は皆それぞれ自分たちの故郷の言葉でその説教を聞いたのです。言葉は異なっていましたが、その内容は同じでした。こうして、聖霊はこの世に遣わされ、神の救いを宣べ伝える形で教会を導かれたのです。
 そのため、教会に属しているわたしたちは皆、国も、言葉も、人種も、文化も、環境もそれぞれ異なっていますが、聖霊によって同じ主に仕え、同じ神に対して同じ信仰を告白することができるようになったのです。このように、それぞれ異なっているわたしたちを聖霊がキリストのうちに一つにしてくださるのです。使徒パウロは第2朗読でこのことについてよく説明しています。教会の中でわたしたちの役割や活動が違っても、わたしたちを一つにしてくださる方が聖霊なのです。
 ところで、わたしたちは聖霊降臨に関するイエス様の約束の中で二つの点に注目する必要があります。
 まず、どのような人に聖霊が降るのかについてです。イエス様は今日の福音の中で「わたしを愛する人は、わたしの言葉(掟)を守る」と2度重ねて言われます。そして2度目にはその結果についてこう言われます。「わたしの父はその人を愛され、父とわたしとはその人のところに行き、一緒に住む」。つまり、神を愛し、イエス・キリストを通して与えられた神のみ言葉を守ることが聖霊降臨の前提であり、条件になるのです。
 そして最も大事なのは、聖霊の役割です。ある意味で、聖霊はイエス様がわたしたちのために配慮しておいた保険だとも言えます。わたしたちは皆、イエス様のみ言葉を覚えて、常に守りたいと思いますが、なかなかうまくいきません。わたしたちの記憶力、理解力には限界があるので、イエス様のみ言葉を聞いてもすぐに忘れてしまいますし、その意味にも気付かないことが多いのでしょう。イエス様はそのようなわたしたちのためにご自分のみ言葉を忘れず、常に神を愛することができるように聖霊を送ってくださったのです。「聖霊が、すべてのことを教え、イエス様が話されたことをことごとく思い起こさせてくださる」(ヨハネ14・26参照)からです。それで、神を愛し、その言葉を守る人は、知恵と理解、判断と勇気、神を知る恵み、神を愛する心、神を敬う心という聖霊の七つのたまものを頂くことができるのです。
(ダニエル・キム・ドンウク〈金桐旭〉神父/韓国殉教福者聖職修道会 カット/高崎紀子)

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