【パリ4月11日OSV】フランスで4月19日の復活徹夜祭に受洗する求道者は、これまでの記録を破る1万7800人以上となり、成人が1万384人、11歳から17歳までの少年は7400人以上だという。フランス司教協議会の全国求道者司牧部局による年次調査報告で明らかになった。
成人洗礼は急増し、前年2024年の人数より45%も増えている。
4月10日に発表された数値は、2002年から毎年実施されている調査で、過去最高となった。
これは一過的な傾向ではなく、真に「ダイナミック」な動きだ、と国内の求道者司牧の責任者を務めるオリビエ・ド・ジェルマニ大司教(リヨン教区)は指摘する。
「それ自体が既に顕著なものとなっている数値以上に、これは天からのしるしをどう読み解くかの問題になっています」とジェルマニ大司教は、調査報告の中で受洗者急増について記している。
過去10年間で、復活祭に受洗した成人の数は2015年の3900人から24年には7135人となり、今年25年には1万384人となる。成人求道者司牧の全国担当者を務めるセシル・エオンさんによると、この増加は「驚くべき」数値だという。
「さらに受洗希望者が増えていて、司牧チームの再編成が必要です」と4月10日、エオンさんはパリで開かれた同司教協議会主催の記者会見で語った。「求道者の中で18歳から25歳までの若者の割合が特に2020年から増えました」
学生と若い職業人からなる18歳から25歳までのグループは全体の42%を占め、従来は成人の求道者候補として主流だった26歳から40歳までのグループの人数を上回った、とフランス司教協議会は明らかにした。
「神への渇きと内面性への切望」
11歳から17歳までの若年層の司牧ケアの全国担当者を務めるカトリーヌ・ルモワンさんは、記者会見で次のように話した。
「洗礼準備のグループは、これまでは通常5人から7人の若者で構成されていたのが、今では20人、または50人、もっと人数が多くなっています。こうした若者たちは時に実存的な問題で自問しています。両親の離婚や祖父母の病気か死去など、困難な状況を体験している人もいるのです。こうしたことで、若者たちは神の存在について考えるようになります。そして福音にいくらかの答えを見いだし、教会の扉をたたくようになるのです」
同司教協議会で信仰告白・キリスト教生活同伴部局の全国担当者を務めるカトリーヌ・シュバリエさんは、次のように説明する。
「不安を催させるような社会的背景、たとえば新型コロナウイルス感染症(の世界的流行)や戦争は、疑いなく関係しています」とシュバリエさんは指摘する。「多くの人がこの全く不安定な時にあって理由を探し求めているのです。でも、こうした要素を超えて、求道者の全員が、非常に個人的なアプローチや、人によっては子ども時代にまでさかのぼる霊的な旅をしているように見えます」
カトリックのインフルエンサーやソーシャルネットワークは確かに15歳から25歳までの若者の間で大きな影響力を示しているが、シュバリエさんは、それは決定的な要素ではないと見ている。「そうした若者たちは明らかに、仮想世界にとどまりたいとは思っていません」とシュバリエさんはパリでの記者会見で説明した。
「若者たちは神への渇きと内面性への切望を示しています。それだけでなく共同体に帰属することへの望みと内面で体験していることやきょうだい愛の感性に沿った典礼を見いだしたいという願いも抱いています」

若者に洗礼を授ける司祭(OSV News photo/Sam Lucero)