バチカンのウクライナ人道支援強化 教会が苦しむ人々に寄り添うしるし

【ローマ2月10日OSV】戦争によって破壊し尽くされたウクライナに、マイナス15度にまで冷え込む厳しい冬が押し寄せている。ウクライナのエネルギー危機と健康危機を受けて、バチカンは人道支援を強化している。
バチカン・ニュースによると2月9日、80台の発電機を載せた3台のトラックが、ウクライナ人の教会として知られるローマの聖ソフィア教会を出発し、首都キーウとその南西約70キロのファスティウに到着した。
 食料や医薬品を含む物資は、教皇レオ14世の要請を受け、教皇庁支援援助省が調整してウクライナに届けられた。
 2月10日、ОSVニュースの電話取材で、同省長官で医療福祉を担当するコンラート・クライェフスキ枢機卿は、支援という使命を通して、教皇はウクライナの人々の苦しみを忘れてはいないという目に見えるしるしを示したと語った。
 「教皇は状況をとても、とても注視しています」と同枢機卿は語り、真冬の真っただ中に電力を奪われて生活する人々の苦しみは、誰しも容易に想像がつくはずだと述べた。「人々が苦しんでいる所にこそ、教会は存在しなければなりません」
 戦争も4年目に突入し、ロシアはウクライナのエネルギー・インフラに攻撃を集中させ、厳寒の冬の時期に、数千もの罪のない人々から電力や暖を奪っている。
 ロイター通信によると、2月9日、ロシアのドローンによって、オデッサ地域のエネルギー施設が攻撃され、およそ9万5千人が電力を奪われた。
 教皇レオは2月4日、一般謁見を終える前、カトリック信者に「ロシアによるウクライナへの爆撃が再開され、エネルギー・インフラへの攻撃の結果、厳しい状況に置かれているウクライナの私たちの兄弟姉妹たちを祈りで支える」よう呼びかけた。同時に、「厳寒の時期を耐えている人々を助けようと、ポーランドやその他の国々のカトリックの教区が連帯して手を差し伸べようとしている取り組み」に感謝を表した。
 
 支援を確実に届ける教会

 クライェフスキ枢機卿はОSVニュースに、支援物資が困っている人に確実に届くよう、支援援助省は、ドミニコ会が運営するセンターを含む、地元の司教、教区司祭たちと協力している、と語った。ドミニコ会は、高出力発電機をオデッサ、ハルキウ、キーウといった最も支援が必要な地域に設置してきた実績がある。
 バチカン・ニュースによると、同省が送った医薬品の中には、抗生物質、抗炎症薬、栄養補助食品などが含まれ、他にも慢性的な不眠やトラウマ(心的外傷)のため就寝が困難な人のためにメラトニンも含まれているという。
 同枢機卿は、このような医薬品などを送り、教皇は戦争の見えない傷、安らぎを得られないといった問題にも対処したいと望んでいるとし、「これは愛のしるしです。たとえ何キロも離れたところにいようとも、ウクライナは孤立してはいないということを示すしるしなのです」と強調した。
 「教皇はあらゆる些細なことまでも考えておられます。私はウクライナに何度も行っていますが、また行きたいと思っています。なぜなら存在が大切だからです。ウクライナの人々と共にいて、共に暮らすこと。これこそが、ウクライナの人々にとって、とても大切な連帯のしるしとなるのです」と続けた。
 バチカンから送られた支援物資は、ラテン典礼カトリック教会の信者だけでなく、ビザンチン典礼カトリック教会の信者や東方正教会の信者、教会とは関わりのない人々にも配られると同枢機卿は説明。
 最後に、発電機を寄付したイタリアの人々に「支援疲れはありません」とウクライナを勇気付けた。
「私たちはまるで初代教会の使徒たちのようです。当時、人々は使徒たちの足元に支援物資を持ってきたのです。なぜなら、使徒たちならばその物資を必要としている人にうまく分配してくれると知っていたからです」「私たちも同じです。支援してくれた物資を教会や教区というネットワークを駆使して分配しています。そうして、全ての物資を、必要としている人々の手に確実に届けているのです」と同枢機卿はОSVニュースに語った。

2025年10月9日、バチカンで開かれた記者会見で話をする教皇庁支援援助省長官のコンラート・クライェフスキ枢機卿。同枢機卿は2026年2月10日、ОSVニュースの取材で、ロシアによるウクライナへの攻撃が続く中、ウクライナのエネルギー危機と健康危機への対策として、バチカンは人道支援を強化していると語り、この支援は、教皇レオ14世はウクライナの人々の苦しみを忘れてはいないというしるしだと述べた (CNS photo/Pablo Esparza)
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