対話と外交が恒久的平和を導く 教皇、ウクライナ大統領と会談

【バチカン12月9日CNS】教皇レオ14世は12月9日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談し、改めて対話の重要性を強調し、ウクライナでの公正で恒久的な平和への期待を示した。
 「さらに、戦争捕虜の問題と(ロシアへ連れ去られた)ウクライナの子どもたちの親元への帰還を実現する必要についても意見交換があった」と教皇庁広報局は同日、会談後に発表した声明で述べた。
 両者は同日朝、ローマ南東のカステルガンドルフォの教皇別荘で、およそ30分間の会談を非公開で行った。
 「ウクライナでの戦争を念頭に置いた友好的な会談で、教皇は対話を継続することの重要性を改めて強調し、現在の外交的取り組みが公正で恒久的な平和をもたらすことへの緊急の願いを表明した」と同広報局の声明は付け加えている。
 ゼレンスキー大統領はX(旧ツイッター)で、教皇と聖座(バチカン)の「継続的な人道支援と人道的使命の拡大への姿勢」による支持へ感謝を表した。
 「今日の教皇聖下への謁見で、私は教皇様に、絶えずウクライナとウクライナ国民のために祈ってくださっていること、公正な平和を呼びかけてくださっていることへの感謝をお伝えしました」とゼレンスキー大統領は投稿している。
 同大統領は教皇レオに、「平和をもたらすための米国との外交努力について」話し、「私たちはさらなる行動と、ロシアにさらわれた私たちの子どもたちの帰還を目指すバチカンによる仲介について意見交換しました」と書き込んでいる。
 ゼレンスキー氏は教皇をウクライナ訪問に招待したことも明らかにし、それは「私たちの国民への支持を示す力強いしるしとなるでしょう」と付け加えた。
 教皇レオ14世とゼレンスキー大統領が会談したのは今度で3回目。初回は5月18日、バチカンでの教皇の就任ミサ時で短時間だったが、2回目は7月9日、カステルガンドルフォの教皇別荘で30分間の非公開会談だった。

12月9日、ローマの南東カステルガンドルフォの教皇別荘で、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談し、握手を交わす教皇レオ14世 (CNS photo/Vatican Media)
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