【バチカン11月17日CNS】若者たちがとても多くの時間を「デジタル環境」で過ごしている今、カトリック聖書連盟のメンバーたちは全ての人を聖書に導くという第2バチカン公会議による求めに従っているか自問する必要がある、と教皇レオ14世は指摘した。
「私たちの時代に、『聖書に近づく門戸は、キリスト信者に広く開かれていなければならない』(『神の啓示に関する教義憲章』22)という教えは何を意味するのでしょうか。私たちはどうすれば、神のことばを聞いたこともないか、福音に触れたことのない文化で暮らす人々にこの出会いを体験してもらうことができるのでしょうか」と教皇は、同聖書連盟の運営委員会のメンバーや地域代表に問いかけた。
教皇レオ14世が11月17日、バチカンの使徒宮殿でのこの謁見で、特に懸念を示したのは、「福音が全く知られていないか、特定の利害によってゆがめられている文化の中で暮らす」人々がいることだった。
謁見の最後には、米国司教協議会聖書使徒職局のメアリー・スペリー副局長から教皇レオに2冊の白くて大きいバインダーが手渡された。中身は2027年に刊行予定の「カトリック・アメリカン・バイブル」のパイロット版だった。
神のことばを証しする「手紙」の使命
第2バチカン公会議文書『神の啓示に関する教義憲章』の発表60周年の前夜に開かれた謁見で、教皇レオはカトリック聖書連盟のメンバーに、「神のことばを恭しく聞き、確信をもって宣言する」(『同』1)という教えに、個人として、そして連盟として、どう応えていくのか考えるようにと促した。
「教会がいのちを得るのは、自身からではなく聖書からです」と教皇は強調する。「教会は聖書から、その旅路の方向性を改めて見いだし続けています。それは全てのことを教え、御子が話されたことをことごとく思い起こさせてくださる聖霊の導きによるのです」(ヨハネ14・26参照)
そこで大切になるのは、あらゆる人に聖書に接してもらうことで、「ご自身の愛を語り、分け与えて、私たちを豊かないのちに引き入れてくださる神に出会う」(ヨハネ10・10参照)助けとなることだと教皇は説明する。
カトリック聖書連盟が推進している聖書の飜訳は、そのために欠かせないが、それだけでなく、祈りにあふれて聖書を読む「レクツィオ・ディビナ」(霊的読書)を勧めるような工夫も必要ではないか、と教皇は提案する。
教皇レオ14世はあいさつの最後にこう付け加えた。「つまるところ、皆さんの使命は『墨ではなく生ける神の霊によって、書きつけられた手紙』(二コリント3・3参照)となることです。私たちの世界を満たしている多くの声に勝る神のことばの首位性を証しするのです」

