移住者保護と権利の擁護を誓う 米国司教団、教皇へメッセージ

【ボルティモア(米東部メリーランド州)11月11日OSV】米国司教団は11月11日、東部ボルティモアで開会した秋季司教総会で、教皇レオ14世に宛ててメッセージを送り、「移住者と共にあり続け、全ての人が恐れることなく礼拝に参加できる権利を擁護していきます」と誓った。
 「私たちは米国で働く牧者として、隣人を愛しなさいという福音の命令とあまりにも食い違う世界観の高まりに直面しています」と同司教団は切り出す。「米国内の各都市で、私たちの兄弟姉妹である移住者たちは、その多くが仲間のカトリック信者ですが、恐れの文化に巻き込まれています。家から出ることもためらわれ、無作為に嫌がらせを受けたり、拘束されたりする恐れがあるために教会にさえも行けないのです」
 「教皇様、どうか知っておいてください。米国の司教たちは同じ懸念のうちに一致して、移住者と共にあり続け、全ての人が恐れることなく礼拝に参加できる権利を擁護していきます」と同司教団は教皇に報告する。「私たちは安全な国境の確保と危険な犯罪活動に対する法執行を支持します。ただし、礼拝の権利や正式な手続きさえも損なわれるこの難しい時にあって、私たちは沈黙を続けることはできません」

 教会の働きへの祝福を求める
 
 米国司教団は続ける。「わが国では、そして私たちの全世界でも、私たちは福音を証しするに当たって非常に多くの困難に直面します。すなわち、個人主義による狭量で自己中心的な言動の高まり、経済・社会的な貧困、両極化の進行、敵意、そして政治的暴力、礼節を伴う議論ができない状態、互いに協力し合う寛容さの欠如、そしてあらゆる人、特に貧しい人、高齢者、胎児の生命と尊厳に対する恒常的な脅威があります」
 「こうした難題があっても、私たちは希望と愛というキリスト教的な徳に励まされています」と同司教団は強調する。「この世が他者を問題または重荷と見なすところで、私たちが示さなければならず、そして示していくのは、一人一人の人が神に愛されていて、従って、胎内にいても、寄留者であっても、家がなくても、飢えていても、牢(ろう)にいても、死にゆく時も、敬意をもって接しなければならないということです」
 米国司教団は、こう付け加える。「よくご存じのように、米国は活気にあふれる小教区や希望と愛のうちに生きる献身的な司祭と修道者、多くの誠実な男女の信徒によって豊かに恵まれています。その人たちと共に、私たちの教区と小教区は、じかに対面することによって、非常な困窮にひんしている人々を助け続けています。教皇聖下、私たちはへりくだってお願いします。その人たちとわが国の全教会に祝福をお与えください。それは私たちがより一層、主イエスの忠実な弟子となり、主のみ国の信頼に足る証し人となるためです」

7月25日、米東部ニューヨーク市マンハッタン区の「移民裁判所」で、移民関税執行局係官によって父親が拘束される様子を見守る子ども(OSV News photo/David 'Dee' Delgado, Reuters)


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