ニケア公会議1700年に 信仰と宣教の使命を強める

【バチカン4月3日CNS】キリスト信者はニケア信条を単なる信じるべきことのリストとみなすのではなく、畏敬の念をもって見つめるべきで、それは同信条が神の愛と救いのたまものを記しているからだと教皇庁国際神学委員会のメンバーたちは指摘する。
 「ニケアはあがないのわざの現実性を示しています。キリストにおいて、神は歴史に介入し私たちを救われます。神は天使または人間の英雄を送り込むのではなく、ご自身で人類の歴史に入られます。マリアという女性から生まれ、イスラエルの民のうちに来られて、『ポンティオ・ピラトの元』(一テモテ6・13、使徒言行録3・13参照)という特定の歴史上の時代に亡くなります」と神学者たちは文書で強調している。
 教皇によって任命され、教皇庁教理省の諮問機関として機能する同神学委員会のメンバーたちは、「イエス・キリスト、神の子、救い主—ニケア公会議開催1700年(325―2025)」と題した文書を公表した。
 同文書は教皇庁教理省長官のビクトル・マヌエル・フェルナンデス枢機卿により承認され、教皇フランシスコによって公表の認可を受けた。
 同文書は4月3日、公表された。

 同公会議が定めた基本的な信仰箇条

 ニケア公会議は325年に現トルコのイズニクで開催された。初めて「公会議」と呼ばれた教会会議で、当時の全キリスト教共同体から司教たちが参加した。
 「その信仰宣言と教会法上の決定は、全教会の規範として公布されました」と国際神学委員会のメンバーたちは強調する。「イエス・キリストの出来事によって教会内にもたらされた前例のない交わりと一致は、目に見える形となり、普遍的な範囲にわたる構造によって新たな仕方で効力を発揮したのです。そしてキリストの良い知らせをその計り知れない偉大さのうちに告げ知らせることも、前例のない権威と範囲を得るのです」
 ニケア信条の文言は381年に開かれたコンスタンチノープル公会議でさらに洗練されるが、基本的な信仰箇条はニケア公会議で定められ、全てのキリスト信者の本質的な信仰宣言を形づくり続けている、と同神学委員会は説明する。
 ニケア・コンスタンチノープル信条を唱えることによって、「私たちは、歴史の中で記され、歴史の中で働く超越的な真理を宣言することになります」と文書は続ける。「そして、そのためにイエスのメッセージを主ご自身の人格と切り離すことはできません。主は全ての人にとっての『道であり、真理であり、命である』(ヨハネ14・6)ので、他にもいるような単なる知恵の教師ではないのです」
 ニケア公会議1700年を祝うことによって、福音宣教の営みに新たな活力がもたらされるはずだと文書は指摘している。

バチカン図書館のシスティーナの間にある第1ニケア公会議の様子を描いたフレスコ画。
同公会議は325年に開催され、2025年の聖年は1700周年に当たる(CNS)
  • URLをコピーしました!
目次