教皇フランシスコ 平和への祈り呼びかける

【バチカン3月31日CNS】教皇フランシスコは退院翌週の3月30日、バチカンを通して、当日の「お告げの祈り」のために準備したメッセージを公表した。
  88歳の教皇は、23日にローマ市内のジェメッリ総合病院から退院して以来、医師団の静養を勧める指示に従って、動画でも公にも姿を見せていない。
 教皇のメッセージは当日の福音箇所だった失われた羊と放蕩(ほうとう)息子のたとえについて短く触れて、「このようにして、イエスは私たちに神のみ心を示されます。神は全ての人にいつくしみを向けられ、私たちの傷を癒やして、兄弟姉妹として互いに愛し合えるようにしてくださいます」と強調している。
 教皇フランシスコは、これまでの主日でそうだったように、「大地震でもひどく苦しむミャンマー」を含む世界の紛争地での平和のために祈るよう呼びかける。
 教皇のメッセージはさらに、アフリカの南スーダンとスーダンの情勢について緊急に訴えている。
 南スーダンでは国民統一暫定政府が崩壊し、緊張が高まっている。教皇は「あらためて、全ての指導者に強く訴えます。国内の緊張を緩和するために力を尽くしてください」と促す。
 「違いを脇に置いて、勇気と責任を持ってテーブルに着き、建設的な交渉に当たってください。そうすることによってだけ、大切な南スーダンの国民の苦しみを和らげ、平和で安定した未来を築くことができるのです」
 スーダンでは内戦によって「罪もない人々が犠牲になり続けています」と教皇は指摘し、国際社会に向けて、「悲惨な人道危機の解決に向けた努力を強める」よう求めている。
 「私は全ての紛争当事者に、兄弟姉妹である一般市民のいのちを守ることを最優先するよう求めます。新たな交渉がすぐにも始まり、危機的状況の恒久的な解決策が見いだされることを願っています」

3月30日、バチカンのサンピエトロ広場に集まった人々。教皇フランシスコは医師団の指示に従って、「お告げの祈り」には姿を見せない。バチカンはメッセージだけを発表した(CNS)
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