【バチカン3月26日CNS】2023年末時点で世界のカトリック信者数と終身助祭の
人数は増えていたが、神学生と司祭、男女修道者の人数、受洗者数は減っていたことが、
バチカンの統計で明らかになった。
ただ、バチカンの教会統計年鑑によると、23年に910万人が初聖体を受け、前年の
868万人から増えていて、堅信を受けた人も、ほぼ770万人と前年の740万人より
増えていたという。
23年末の時点で、カトリック信者数は14億500万人に達し、22年末時点の13
億8900万人から1・15%増えた、とバチカン教会統計局は同年鑑で明らかにしてい
る。
この増加率は、同時期の世界総人口の増加率0・88%を上回っている。国連の人口統
計年鑑によると、23年半ばの世界総人口は80億4500万人だった。
バチカンは教会統計年鑑を3月末に公表した。
同教会年鑑は断り書きとして、掲載された統計値は調査依頼に回答のあった3188教
区からの数値に基づいていて、他の約140の教会行政区からの情報は得られなかったと
している。
世界のカトリック信者数には「現在の情勢のために調査を行えなかった国々からの数値
は加算されていない」と同教会統計年鑑は説明している。同年鑑は、他に約500万人の
カトリック信者がいるとみられると付け加えている。中国本土と北朝鮮の信者数は同年鑑
に載っていない。
カトリック信者数が世界総人口と大陸別人口での比率は22年とほぼ同じだった。カト
リック信者は23年末には世界総人口の約17・8%だった。最も比率が高いのは、全ア
メリカ大陸で64・2%。続く欧州が39・6%、オセアニアが25・9%。アフリカで
19・8%、最も少ないのがアジアで3・3%だった。
同教会統計年鑑によると、全世界のカトリック信者数は増え続けている一方で、受洗者
数は減っている。受洗者数の減少は、ほとんどの国々で出生率が下がっていることに起因
するとバチカン教会統計局はみている。
司祭と男女修道者神学生は減少続く
2023年末時点のカトリック教会の司教は5430人で、22年より77人増えた。
その大半は全アメリカ大陸と欧州で働いている。
教区司祭と修道会・宣教会司祭の総数は前年より734人減って40万6996人とな
ったとバチカン教会統計局は明らかにしている。司祭数が目に見えて増えているのはアフ
リカとアジアだが、全アメリカ大陸と欧州での減少を補えるほどにはなっていない。
修道士の人数は23年には前年末の4万9414人から4万8748人に減り、修道女
数も前年末の59万9228人から58万9423人に9805人減ったという。
終身助祭数は増え続けている。23年末の人数は5万1433人で、前年比2・54%
増。全アメリカ大陸が一番多い。
世界の神学生数は減り続けていて、2018年から23年にかけて毎年平均で
1・67%減った。23年末の人数は10万6495人で、アフリカだけが増えているという。

ける教皇フランシスコ。23年には全世界で910万人が初聖体を受けた(CNS)