【バチカン11月8日CNS】真の信仰から生まれる希望は「悪の鎖を断ち切り」、ゆるしと正しい行いを促す、と教皇レオ14世は11月8日、聖年の謁見で指摘した。
「それは、思い上がる者を打ち散らし、権力ある者をその座から引きずり降ろす、新しい種類の力です」と教皇は強調する。「こうして希望が生まれます」
教皇レオはバチカンのサンピエトロ広場で開いた聖年の謁見で、特に「労働者の祝祭」の参加者たちに言葉をかけた。この祝祭は元々5月1日の「労働者聖ヨセフ」の記念日に合わせて祝われる予定だったが、教皇フランシスコの逝去によって延期されていた。
教皇はこの謁見の講話で、1909年に現コンゴ民主共和国で殉教した福者イジドール・バカンジャについて話した。福者バカンジャは欧州人が所有する農園で働いていたが、農園の主人に殴打されたために死亡した。農園主はキリスト者とバカンジャが親しくしていたトラピスト会の宣教師たちを軽蔑していた。
ところが、福者バカンジャは死の床で宣教師たちに、自分を殴打した主人をゆるし、天の国から彼のために祈ると告げた。
キリスト教的希望で地も天に似る
謁見で読まれた聖書の箇所(一コリント1・26~27)で、聖パウロは信徒たちに説いている。「兄弟たち、あなたがたが召されたときのことを、思い起こしてみなさい。人間的に見て知恵のある者が多かったわけではなく、能力のある者や、家柄のよい者が多かったわけでもありません。ところが、神は知恵ある者に恥をかかせるため、世の無学な者を選ばれました」
聖パウロが手紙によってコリントの信徒たちに気付いてほしかったのは、「彼らの間で地が既に天に似たものになり始めていること」だったと教皇は指摘する。「パウロは、彼らが自分たちの召命について考え、そうでなければ集まることのなかった人々を神が出会わせてくれたことに目を向けるようにと告げています」
「希望するとは、地が本当に天に似たものとなり得ることを証しすることです。これこそが聖年のメッセージです」と教皇レオ14世は講話を結んだ。

