【バチカン11月1日CNS】聖ジョン・ヘンリー・ニューマン枢機卿や諸聖人の生涯がキリスト者に教えているのは、「現在の複雑な状況のただ中でも、『世にあって星のように輝く』(フィリピ2・15参照)ようにとの使徒パウロの勧めをおろそかにせずに、情熱を持って生きることができるということです」と教皇レオ14世は強調した。
 教皇は11月1日、諸聖人の祭日に、聖年の「教育界の祝祭」を締めくくるミサを司式し、聖ニューマン枢機卿を教会史上38人目の「教会博士」としたことを宣言した。聖ニューマンは神学や霊性で決定的な貢献をした東西の男女聖人たちに加わった。
 教皇は10月28日に発表した使徒的書簡の中で、正式に聖ニューマンを「聖トマス・アクィナスと並ぶ教会の教育の使命の共同の保護者」とすることを宣言していた。
 聖ニューマンは1801年2月21日、英国ロンドンで生まれ、25年に英国国教会の司祭に叙階された。45年にカトリック教会に転籍し、79年に教皇レオ13世によって枢機卿に叙任された。
 英国国教会の高位聖職者や英国政府代表が、聖ニューマンが「教会博士」の称号を授与されたミサに参列した。英国国教会の代表団は、現時点で同教会の最高位にあるヨーク教区のスティーブン・コットレル大主教が率いていた。
 教皇レオ14世はミサの最後に、コットレル大主教への公式なあいさつで、聖ニューマンが「キリスト者たちの完全な一致への旅路に同伴して」くれるようにと祈った。
 星のように輝かせる教育を
 
 ミサ中には、聖ニューマンの大学教育についての神学、哲学、思想が教皇庁列聖省による紹介文で示され、教皇レオは説教で、有名な賛美歌の歌詞になった聖ニューマンの詩「たえなる道しるべの光よ」の言葉を引用した。
 教皇は説明する。聖ニューマンの「あの美しい祈りのうちに、私たちは家から遠く離れ、足元もおぼつかないことに気付きます。行く道も定かには分かりませんが、それでも、こうした全てが私たちを妨げることはありません。私たちを導いてくださる方を見いだしたからです」。
 教皇レオはバチカンのサンピエトロ広場でささげられたミサに参加した教員や教授などの教育者たちに語りかける。「教育の務めはまさに、特に悲観主義や恐れの陰険な影に捕らわれたままになっている人々に、この優しい光をもたらすことにあります」
 教皇は教育者たちに呼びかける。「私たちは、あの『星座たち』を観想し、他の人たちに示しましょう。その星たちは、あまりにも多くの不正義や不安に暗く沈んでいる今この時に、光と導きをもたらすのです」
 カトリック教育者の務めは、情報を伝えるだけでなく、学生生徒たちが、どれほど神から愛されていて、神が人生の計画を立ててくださっていることを理解する助けとなることにある、と教皇は付け加える。
 「人生が明るく輝くのは、私たちが富んでいて、美しく、力があるからではありません」と教皇は強調する。「そうではなく、人生が輝くのは、私たちが自らのうちに真理を見いだす時です。その真理とは、私たちが神から呼ばれていて、召命があり、使命があり、私たちの人生が私たち自身よりも大きな何かの役に立つことなのです」
 「全ての被造物に固有の役割があります」と教皇は続ける。「一人一人ができる貢献は、それぞれ違っています。そして教育者の共同体の務めは、その貢献を励まして、大切にすることです」
 教皇レオ14世は教育者たちに呼びかける。「このことを忘れないようにしましょう。教育の旅路の中心で、私たちが見いだすのは、抽象的な個人ではなく、生身の人間です。そして特に、人を排除するか見殺しにしてしまうことさえある経済的な判断基準によって、成績不振とされてしまう人たちなのです。私たちには人々を養成することが求められています。それは、その人たちが完全な尊厳を伴って、星たちのように輝くためです」

