【バチカン10月27日CNS】教皇レオ14世は、カトリック大学などが学生を教育するに当たっては、「現実についての細かすぎる専門家」の養成ではなく、信仰と霊性と世界の知識を互いに結び付ける広大なビジョンが持てるように手助けしなければならない、と勧めている。
カトリック教育が学生たちに求めるべきアプローチは、「問題を過剰に単純化しないこと、疑いを恐れないこと、知的怠慢を克服すること、そうすることで、霊的な萎縮に打ち勝つことです」と教皇は10月27日、ローマの教皇庁立の各大学などの学生たちとささげた夕べのミサで強調した。
教皇レオは学生たちの学びが、「私たちのうちにある希望の理由を表し、説明し、深めて、告げ知らせる」助けとなるようにと祈った。
ローマにある教皇庁立の大学や研究所では、約125カ国からの1万5000人以上が学ぶ。その専攻は神学と哲学から、典礼や教会音楽、コミュニケーション、教会法、考古学など多様な科目に及ぶ。
教皇レオはミサの前に祭壇前に用意された机に向かい、第2バチカン公会議文書『キリスト教的教育に関する宣言』の発表60年を記念する使徒的書簡「新しい希望の地図を描く」に署名した。
学生たちからの拍手を受けて、教皇は署名したばかりの使徒的書簡を掲げた後、ミサの祭服に着替えるために同大聖堂の中央廊下を歩いた。使徒的書簡は28日にバチカンが公表する。
教育は「真に愛の行いそのもの」
教皇レオ14世はミサの説教で、学生と研究者、学者たちに「全てを見通すビジョンや展望を把握するまなざし、さらに前進するための恵み」があるようにと祈った。
カトリック大学で学ぶことは、学生たちが「神に向かい、他者に向かって、いのちの神秘に向かう」深いまなざしを体得する助けとなるはずだ、と教皇は語った。
大切なのは事実だけを学ぶことではない、と教皇は指摘する。
「アウグスティヌスやトマス・アクィナス、アビラのテレジア、エディット・シュタインと他の多くの人々が人生の中での探求を霊的な旅路と統合した模範を仰ぎ見ることによって、私たちも知的な働きと真理の探求を、人生から切り離すことなく進めていくことを求められているのです」と教皇は学生たちに語りかける。
学生たちが大学で学ぶことは、その教育過程のどこであっても、「抽象的な知的演習にとどまるべきでなく、実際に、人生を変えることができ、キリストと私たちの関係性を深めて、教会の神秘をより良く理解する助けとなり、社会の中で福音を大胆に証しできるようにならなくてはいけません」。
教皇レオは付け加える。カトリック教育は「真に愛の行いそのもの」であり、人々を助け起こして、意味の探求の助けとなる。そうして、人々にもたらすのは、「全てのうちで最大の恵みなのです。私たちは決して一人ではなく」、神に「属することを知るのです」。「神は私たちを愛してくださり、私たちの人生のために愛の計画を立てておられる方です」。

