教皇、シノドス実施過程で 謙虚な教会と真理の探求を

【バチカン10月26日CNS】カトリック教会の最高の規則は愛であり、全ての信者に対して、他者を裁かず、排除せず、支配せずに、奉仕することを求める、と教皇レオ14世は強調する。
 「誰も自分の考えを押し付けてはなりません。全ての人は互いに耳を傾け合わなければなりません。誰も、のけ者にされてはなりません。私たち全員が参加するように招かれています」と教皇レオは10月26日、バチカンの聖ペトロ大聖堂でささげたミサの説教で会衆に語りかけた。
 「誰も真理全体を熟知してはいません。私たち全員で謙虚に、共に真理を探求しなければなりません」と教皇は付け加えた。
 ミサは10月24日から26日まで開かれた聖年の「シノドス・チームと参与機関のための祝祭」を締めくくった。祝祭に参加した約2000人は、教区レベル、地方教会レベル、大陸レベルの教区代表者会議や司祭評議会、教区・小教区司牧評議会、教区・小教区経済問題評議会などのメンバーとして参加登録されていた。
 祝祭では研究集会などの集まりがあり、2021年から24年までのシノダリティー(共に歩む旅)についてのシノドス(世界代表司教会議)の『最終文書』が促す実施ステージの強化を目指した。
 「私たちは謙虚な教会を夢見、また築かなければなりません」と教皇レオ14世は説教で呼びかける。
 「勝ち誇って、自信満々な心で真っすぐに立つ教会ではなく、むしろ、身を低くして人の足を洗う教会とならなければなりません」
 「人を裁く教会ではなく、むしろ、全ての人、一人一人の人をもてなす場とならなければなりません」と教皇は続ける。「自分のうちに閉じこもる教会ではなく、神に耳を傾け、全ての人にも同じように耳を傾ける教会とならなければなりません」

 緊張を解決し、霊的生活を重んじる
 
 「それは、キリストの思いを身にまとうためです。教会の空間を広げ、それが団体的で互いに受け入れ合うものとなるように、互いに助け合ってください」と教皇は促す。「このことは、信頼と新たな精神をもって、教会生活全体に存在する緊張を乗り切る助けとなります」
 「一致と多様性、伝統と革新、権威と参加の間の緊張を、聖霊によってつくり変えていただくのです」
 「それは、あるものを別のものにすることによって緊張を解決することではなく、聖霊によってそれを実り豊かなものとしていただくことです。そうすれば、緊張は調和され、共同の識別に向けて方向づけられます」と教皇は説明する。
 「シノドス的な教会であるとは、真理は所有されるものではなく、ともに探求されるものであることを認め、愛である方を愛する、落ち着くことのない心に導かれることです」
 シノドス・チームと参与機関は、「教会の中で起きていることを表します。教会においては、人間関係は、権力の論理に答えるのではなく、愛の論理に答えます」。
 教皇レオ14世は強調する。キリスト教共同体は、「この世の」論理に従うのではなく、「霊的な生活を第一に重視します。霊的生活は、私たちが皆、神の子であり、互いに兄弟姉妹であり、互いに仕え合うように招かれていることを、私たちに見いださせてくれます」。

10月26日、教皇レオ14世はバチカンの聖ペトロ大聖堂で、聖年の「シノドス・チームと参与機関」の祝祭の閉会ミサを司式した(CNS photo/Vatican Media)


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