公正で恒久的な平和の実現を願う 教皇、ガザ和平案第1段階合意で

【バチカン10月12日CNS】パレスチナ・ガザでの和平案「第1段階」の合意を受けて、教皇レオ14世は全ての人を尊重する公正で恒久的な平和の実現を願っている。
 「私たちは、人類に真の平和を与えてくださる神に願います。全ての傷を癒やし、今は人間にはできないと思われることを恵みによって成し遂げる助けとなってくださいますように。他者は敵ではなく、兄弟姉妹として見つめ、ゆるし、和解への希望を差し出す相手であることを思い出させてくださいますように」と教皇は10月12日、祈った。
 教皇レオはバチカンのサンピエトロ広場で、聖年の「マリアの霊性の祝祭」ミサ後の「お告げの祈り」を唱える前に、最初の和平案合意に言及し、「和平プロセス開始の合意は聖地に希望への口火をもたらしました」と評価した。
 米国のドナルド・トランプ大統領の主導による和平案の「第1段階」合意は、イスラエルとイスラム組織ハマスによって承認された。第1段階では、停戦とイスラエル人人質とパレスチナ人収監者の交換、ガザへの人道支援の再開が行われる。
 イスラエル軍は10月10日、ガザでの停戦に入り、一部の地域から撤退を始めたと発表した。和平案の次の段階では、詳細を詰めるためのさらなる交渉が見込まれている。
 教皇レオ14世は「お告げの祈り」の前に、こう呼びかけた。「私は関係当事者に促します。イスラエルとパレスチナ双方の国民の正当な願いを尊重する公正で恒久的な平和に向かって、勇気を持って選んだ道を進み続けてください」
 「2年に及んでいる紛争は、現地一帯に死と破壊をもたらし、特に残虐な形で子どもたちや両親、友人や財産を奪われた人々の心に深い傷を残しています」と教皇は指摘する。「全教会と共に、私は皆さんの計り知れない痛みに寄り添っています」
 「特に今日、皆さんの上に主の優しい寄り添いがありますように。そして、この最も深い暗闇のただ中でさえも、『ディレクシ・テ(わたしはあなたを愛した)』と言われる主が、常に私たちと共にいてくださいますように」と教皇は続け、自身が10月9日に発表したばかりの初めての使徒的勧告に言及した。

 ウクライナ侵攻の終結も訴える
 
 教皇レオ14世はさらに、ロシアが続けているウクライナ侵攻に触れる。「私は心痛と共に、新たな報道に接しています。最近の猛烈な攻撃で、ウクライナの各都市と市民インフラが打撃を受けています。子どもたちを含む罪もない市民の死をもたらし、多くの家庭が電気と暖房の供給を受けられなくなっています」
 フランスのAFP通信の報道によると、ロシア軍は10月11日、ウクライナ全域にドローン(無人機)とミサイルによる攻撃を行い、少なくとも5人が死亡し、エネルギー施設の破壊によって、南部オデーサ地方の一部で電力供給が止まっている。
 「私の心は、何年も苦悩と強奪に遭う暮らしを続けてきたウクライナ国民の苦しみに向かいます」と教皇レオは続ける。「私は改めて訴えます。暴力を終わらせてください。破壊をやめてください。対話と平和に心を開いてください」

10月12日、パレスチナ・ガザ北部ガザ市で、イスラエル軍が撤退した後のがれきの中を歩くパレスチナ人の住民 (OSV News photo/Reuters)
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