【ローマ9月20日CNS】ローマのような大都市では、貧困や犯罪がまん延し、カトリック教会は人々の日常生活とはかけ離れた存在だと思われる傾向がある中、司牧奉仕や援助で新たなアプローチが必要になっている、と教皇レオ14世は指摘している。
「私たちは、これまでと同じことを繰り返すことで満足してはいけません」と教皇は9月19日、ローマ教区集会に参加した小教区の司祭や助祭、修道者や信徒代表に語った。司牧新年度の開始に当たっての祈りの集いがローマのラテラノの聖ヨハネ大聖堂でささげられていた。
教会から離れる若者や家庭が増える中で、何かを変えなくてはならない、と教皇は指摘する。
「緊急に必要だと思われるのは、共感と思いやりを伴い、穏やかで人を裁かない司牧アプローチです。誰をも歓迎し、私たちが奉仕する相手の多様な状況に合わせて、できる限り個別に適した道を示せる姿勢です」と教皇レオは説明する。
宗教教育は欠かせないが、過去にあったような「学問がかったカテケーシス(信仰教育)」は適切とはいえないと教皇は注意を促す。
各小教区は「生産的にならなくてはいけません。人々を信仰に迎え入れる母胎となって、信仰を捨ててしまった人を捜しに行く心も持たなくてはならないのです」と教皇は強調する。
人々は信仰と聖書と典礼について、もっとよく知りたいと願っているので、小教区で学習の機会が提供されるべきだ、と教皇は指摘する。ただ、それと同時に無視できないのは、「若い人たちの情熱をかき立てると同時に私たち皆に関わってくることです。社会正義、平和、複雑な背景を伴う移住の現状、被造物のケア、責任ある市民権の行使、多様なカップルの関係の尊重、精神的な苦痛や依存症、他にも多様な課題があるのです」。
「もちろん、私たちは全てのことの専門家にはなれませんが、こうした課題について熟考する必要があります。そのためには、市井の多くの専門家たちに耳を傾けることも求められるでしょう」と教皇は付け加えた。
耳を傾けて、励ます姿勢が必要
教皇レオはさらにこう指摘する。教皇フランシスコが立ち上げたシノドス(世界代表司教会議)の過程は、人々が教会に何を望んで、求めているのか、教会がどうすればより良く対応できるかを示してくれている。
「こうしたシノドスの(共に歩む)過程を通して、聖霊は教会の刷新への希望をもたらしてくださいました。各共同体を新たに活性化して、福音的な生き方や神により近づくこと、奉仕と世への証しのうちに成長することができるためです」と教皇レオ14世は説明する。
その実践の中で司祭たちに求められるのは、小教区で信徒たちに耳を傾け、そのたまものを認めて、個別の才能を共同体全体のために発揮するよう励ますことだ、と教皇は付け加えた。
