【バチカン9月5日CNS】イタリア式庭園や古代ローマ遺跡、豊かな緑の並木に囲まれて、教皇レオ14世は新しい「環境負荷ゼロ」の複合施設「ラウダート・シ村」の開所を祝った。教皇フランシスコの被造物のケアについての教えを促進する目的で、ローマの南東30㌔のカステルガンドルフォにある教皇夏季別荘の庭園に開設された。
バチカン・サンピエトロ広場のベルニーニ設計の柱廊を思わせる新設の温室や新築の2軒の建屋は屋上にソーラーパネルを備え、「ラウダート・シ村」の精神を体現する。このプロジェクトは、インテグラル(総合的)エコロジーと持続可能で循環生成型の経済の促進を目指す。
被造物のケアは、「全人類にとっての真の召命です。被造物そのものの中で実現される行いで、私たち自身も被造物の中の被造物であり、創造者ではないことを決して忘れないことが求められます」と教皇レオ14世は9月5日、温室の中でささげられた祈りの集いの説教で強調した。
祈りの集いには、「村」の従業員と家族やローマ教皇庁の関係者、プロジェクトを支援する協賛企業や機関の代表、招待客が参加した。
「今日、私たちが開所を祝うラウダート・シ村は、教会による行動の一つとして、神のみ業を守る者としての召命を果たすことを目標としています。困難を伴いますが、美しく魅力的な課題です。ここに、キリスト教的な体験の本来の様相があります」と教皇は説明する。
教会の総合的エコロジーについての教えを具現化する「ラウダート・シ村」は、「教皇フランシスコが遺産として残してくださった希望の種です」と教皇レオ14世は続ける。「今日、私たちがここで目にしているのは、霊性と自然、歴史と芸術、労働と技術が、調和のうちに共存する並外れた美の総合なのです」

一般向けに教育養成プログラムも提供
「ラウダート・シ村」には、34・4ヘクタールの庭園と20・2ヘクタールの農地が広がり、牛や馬、ロバやニワトリ、その他の小動物が暮らしている。
「ラウダート・シ村」の関係者によると、「村」は誰にでも開放され、全世界からの全世代の学生生徒たちのための教育プログラムやカトリック教会の被造物のケアや人間の尊厳を守る教えにさらに従いたいと望む実業家たちのための黙想会の主催を予定しているという。
現在は、社会で弱い立場に置かれているか疎外を受けている人たちのために園芸や農業の職業訓練プログラムを実施していて、将来は農園で生産されるチーズやオリーブ油、ワインなどを「ラウダート・シ」ブランドの商品として一般に販売することを計画している。
