教皇、真の愛は見返りを求めない ミラノの慈善事業との会見で指摘

【バチカン9月2日CNS】真にキリスト教的な慈善の業は、支援を受ける人を尊重し、助けを受けることに何の条件も求めない、と教皇レオ14世は強調する。
 慈善の業には無私の奉仕と相手の尊厳を尊重することが求められる、と教皇は9月1日、カプチン・フランシスコ修道会が支援する慈善事業「貧しい人のためのオペラ・サンフランチェスコ」の関係者たちとの会見で指摘した。
 「私たちは純粋に出会った人のために奉仕するのであり、それは相手の人がその可能性を十分に発揮して、自分の道を進んでいけるようにするためです。何の見返りも求めず、条件を付けることもありません」と教皇は、ミラノに本部がある同事業の関係者たちに語った。
 そうした行いは、まさに「神が私たち一人一人にしてくださることです。私たちに道を示し、その道を進むために必要な全ての助けを与え、その上で私たちの自由にさせてくださるのです」と教皇は説明する。
 「オペラ・サンフランチェスコ」の起源は、カプチン・フランシスコ修道会のチェチーリオ・マリア・コルティノービス修道士の活動にさかのぼる。修道院の門番だった同修道士は、物質的な支援を求めて修道院の扉をたたく全ての人をより効果的に助ける方法を模索していた。
 コルティノービス修道士の活動には、すぐに地元の医師も加わり、同事業は今日では年間3万人に、給食施設や衣料品バンク、シャワー施設、クリニック、臨床心理支援、職業相談などを通して奉仕している。

 社会に広がる孤独感に打ち勝つ交わり
 
 その活動の「成り立ちは、支援する人と支援を受ける人の関係ではなく、互いを神からのたまものである兄弟姉妹として認め合い、主の現存を認め、聖性への旅路を互いに助け合って進むことにあります」と教皇レオ14世は同事業を称賛する。
 互いに助け合うことによって「私たちは、傷つき、それと同時に癒えていくキリストのからだをたたえるのです」と教皇は説明する。
 コルティノービス修道士がしたように、人々を温かく迎え入れることが意味するのは、「自分の心の中と人生の中に他者のための場所をつくり、時間を割いて、耳を傾けて、支えて、祈ることです」。
 そうした「相手の目を見て、手を握り、身をかがめる姿勢」を、教皇フランシスコはしばしば勧めていた。
 その姿勢は、相手の尊厳を認めるだけでなく、「家族のような温かさ」を育み、「『私たち』の明るい交わりを通して、『私』だけになる孤独感に打ち勝つ助けとなります。こうした感性を私たちの社会に広げていくことが、どれほど必要とされていることでしょう。時として、孤立が悲劇的なものになっているからです」と教皇レオ14世は付け加えた。

9月1日、バチカン使徒宮殿のクレメンスの間で、ミラノに本部がある慈善事業「貧しい人のためのオペラ・サンフランチェスコ」の関係者たちと会見した教皇レオ14世(CNS photo/ Vatican Media)
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