【ローマ7月31日OSV】聖ジョン・ヘンリー・ニューマン枢機卿は、教皇レオ14世によって教会博士の称号を与えられることになった。英国出身のニューマン枢機卿は19世紀の神学者。知識人、説教師としても有名で、英国国教会(聖公会)からカトリック教会に転会し、両教会内での信仰の実践についての考え方に強い影響を及ぼした。
聖ニューマン枢機卿への教会博士の称号の授与は7月31日、教皇レオ14世が教皇庁列聖省長官のマルチェッロ・セメラーロ枢機卿と会見した後、バチカンが発表した。
教皇庁広報局の発表によると、教皇レオ14世は同枢機卿との個別謁見の中で、「教皇庁列聖省の枢機卿や司教、メンバーが参加した総会による聖ジョン・ヘンリー・ニューマンに近い将来、教会博士の称号が授与されることについての肯定的な意見を確認した」という。
教会史上、最初の教会博士の4人は、聖アンブロジオ司教、聖アウグスティヌス司教、聖大グレゴリオ教皇、聖ヒエロニモ司教。今回発表された聖ニューマンを除くと、教会博士は37人いて、そのうちの女性4人は、イエスの聖テレジアおとめ、シエナの聖カタリナおとめ、幼いイエスの聖テレジアおとめ、ビンゲンの聖ヒルデガルトおとめ。
聖ジョン・ヘンリー・ニューマン枢機卿は、1801年に英国ロンドンで中流の聖公会信者の家庭に生まれ、早くから聖書に興味を示していたという。
25年に聖公会の司祭に叙階され、病者や貧しい人への司牧奉仕やオックスフォード大学などの大学生の教育に当たっていた。ただ、33年から始めた「オックスフォード運動」を通して聖公会と国家の関係を批判するなどしたニューマンの教会刷新への熱意はローマ・カトリック教会寄りと見なされ、オックスフォードを去ることとなり、45年にカトリック教会に転会する。79年に教皇レオ13世によって枢機卿に叙任され、90年に英国のエッジバストンで死去した。
1991年にはカトリック教会によって尊者と認定され、2010年の教皇ベネディクト16世の英国訪問の際に列福された。19年に教皇フランシスコによって列聖された。
