【ナイロビ(ケニア)7月2日OSV】コンゴ民主共和国の教会指導者は、同国東部で長年続いてきた紛争を終わらせるルワンダとの和平協定が6月27日、米政府の仲介で締結されたことを慎重ながらも歓迎している。
コンゴ東部にはルワンダが支援しているとされる「M23(エム・バントロワ)」と呼ばれる武装勢力が侵攻し、北キブ州の州都ゴマや南キブ州の州都ブカブなど大規模な地域を制圧してきた。
M23は100以上ある外国政府の支援を受ける武装勢力の一つで、コンゴ東部は戦乱状態に陥っていた。この紛争は希少金属などの鉱物資源が豊富な同地域で、世界でも最悪の人道危機を引き起こしている。
和平協定によって「事は少し改善するでしょう。そして、私たちが正しかったことが、やっと証明されるのです」とコンゴ民主共和国カトリック司教協議会事務局長のドナシアン・ンショレ・バブラ神父は6月28日、記者会見で語った。
「私たちは武装勢力を含む誰とでも交渉する方向で動いたために批判されてきました」
専門家の分析によると、今回の和平協定は反政府勢力の攻勢にさらされてきた同地域にとって転換点となり、武力介入によらずコンゴ東部の危機を解決する最も真剣な国際的な試みの一つに挙げられるという。
ただ、和平協定締結後のちょうど72時間後にコンゴ東部でM23とコンゴ軍の戦闘が起こった。和平協定に違反する行為とされているが、教会指導者たちは協定の維持を願っている。
協定の代償は鉱物資源の安売りか
米ワシントンで締結された協定は、ルワンダとコンゴ民主共和国双方の領土の尊重を求めて、敵対的行動または武装勢力の支援を禁じている。さらに、紛争の平和的解決と民間人の保護を義務付け、難民と国内避難民の安全な帰還を進めるよう紛争当事者に要求している。
和平協定が慎重ながらも歓迎されている中、一部の指導者たちは隠された合意事項もあるのではないかとみている。
匿名で話したコンゴ民主共和国のカトリック司祭は、現時点でコンゴの国民が必要としているのは恒久的な平和だと指摘する。
「ですから、何でも平和につながることなら歓迎です」と同司祭は続ける。「ただ、この和平には代償も伴っています。その代償は、鉱物資源を安価で売ることになると思われます」
