新教皇、東方典礼教会信者に 平和実現への取り組みを誓う 

【バチカン5月14日CNS】新教皇レオ14世は、戦火に見舞われている地域に多い東方典礼カトリック教会の信者たちとの謁見で、バチカンが平和と和解の促進に全力で取り組むことを誓った。
 「私たちの世界の人々は平和を願っています。私は率直に、国々の指導者に呼びかけます。会ってみて、対話して、交渉してみましょう」とレオ14世は5月14日、バチカンのパウロ6世ホールに、聖年の巡礼に参加した東方典礼カトリック教会の信者たち数千人との謁見で訴えた。
 「戦争は決して避けられないことではなく、戦闘はやめさせなければなりません。問題を解決することはなく悪化させるだけだからです」と教皇は強調する。
 この特別謁見は、各東方典礼カトリック教会の多様な典礼が数日間ささげられた聖年の祝祭の締めくくりに開かれた。シロ・マラバール典礼からアルメニア典礼、ビザンチン典礼、コプト典礼まで、さまざまな典礼がローマの主要大聖堂でささげられた。
 新教皇レオ14世は、全世界で進む平和実現の努力への強い支持を表明し、その役割をバチカンが中立的な外交努力で果たすことを改めて強調する。
 「聖座は敵対する当事者同士を引き合わせる準備があります。互いに目を合わせることで、人々が希望を取り戻し、当然の尊厳が回復されるためです。平和の尊厳です」と教皇は宣言する。

 普遍教会に必要な東方典礼教会の伝統と霊性
 

 新教皇はさらに、東方典礼カトリック教会の信者たちに感謝を表し、その忍耐強さと証しをたたえる。各教会を「殉教者の教会」と呼んで、その普遍教会にとっての重要性を再確認した。
 「皆さんはとても尊い存在です。そうです。『皆さんには、教会が生まれた地での根源的な環境で、固有で特権的な役割』(聖ヨハネ・パウロ2世教皇使徒的書簡「オリエンターレ・ルーメン」5)があるのです」とレオ14世は続ける。
 新教皇は、戦争と移住を迫られる環境が多くの東方典礼カトリック信者を、故郷を失うだけでなく、アイデンティティー(自分らしさ)さえも奪われる危険にさらしていると指摘し、教皇庁東方教会省にラテン典礼教会の司教たちと協力して、離散状態にある信者たちを支援するよう求めた。
 普遍教会は東方典礼カトリック信者の伝統と典礼、霊性を必要としている、とレオ14世は強調する。
 「私たちは何としても神秘への感性を取り戻す必要があり、それは皆さんの典礼のうちに生き続けています。その典礼は人の人間性をその総体に結び付け、救いの美しさを歌い上げて、人間の弱さを包み込む神の偉大さへの驚嘆を誘うのです」

5月14日、バチカンのパウロ6世ホールで開いた聖年の「東方教会の祝祭」参加者との謁見で、イラクの旗を掲げる人たちとあいさつを交わす新教皇レオ14世(CNS photo/Lola Gomez)
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