【バチカン5月6日CNS】5月7日にバチカンで始まるコンクラーベ(教皇選挙)は史上最多の投票者数となり、投票権のある枢機卿の任地も最も多数になる。
2005年と13年のコンクラーベに参加した枢機卿は115人だったが、教皇フランシスコの後継者を選ぶためシスティーナ礼拝堂に入るのは133人になる見込み。
80歳未満でコンクラーベでの選挙権がある枢機卿は135人いるが、バチカンに入った連絡によれば、スペイン・バレンシア教区名誉大司教のアントニオ・カニサレス・ヨベラ枢機卿(79)とケニア・ナイロビ教区名誉大司教のジョン・ンジュエ枢機卿(79)が健康上の理由でローマに来られないという。
有権者の枢機卿がローマにいても体調不良でシスティーナ礼拝堂に入れない場合は、新教皇選出の規則では、3人の枢機卿がシスティーナ礼拝堂から出て、「聖マルタの家」で休んでいる枢機卿の投票を受け取って戻ることができる。
選挙権のある枢機卿たちの任地も史上最多で91カ国となるが、必ずしも出身地とは一致しない。例として挙げられるのはイタリア出身の3人で、ピエルバッティスタ・ピッツァバッラ枢機卿はラテン典礼エルサレム総大司教、ジョルジョ・マレンゴ枢機卿はモンゴル・ウランバートル使徒座知牧区長、マリオ・ゼナーリ枢機卿は駐シリア教皇庁大使を務めている。
今回コンクラーベに参加する枢機卿の平均年齢は5月6日の時点で70・3歳。13年の前回コンクラーベ参加者の平均年齢は71・8歳だったので少し若くなっている。
133人が全員参加なら 選出に必要な得票は89
今回の参加枢機卿のうち聖ヨハネ・パウロ2世教皇によって叙任された枢機卿は5人だけで、教皇ベネディクト16世によって枢機卿に叙任されたのは20人。
つまり教皇フランシスコが選ばれたコンクラーベに参加したのは25人で、そのうち5人は教皇ベネディクト16世を選出したコンクラーベにも参加していた。
今回のコンクラーベでは、108人の枢機卿が初めて投票を経験することになる。
コンクラーベ参加者の地理的分布は1978年から多様化してきた。それでもまだ欧州出身者が最も多く、今回は51人いて全体の38%を占めている。
ただ今回いまだかつてないほど増えたのがアジア出身者で、24人となり全体のほぼ18%となった。ラテンアメリカは23人で17%、アフリカは17人。北米は14人となり全体の10・5%、オセアニアは4人で全体の3%。
新教皇の選出には全投票数の少なくとも3分の2の得票が求められるため、ローマにいる133人の有権者枢機卿の全員が投票した場合には89票が必要になる。
