【バチカン4月29日CNS】次の教皇を決めるコンクラーベ(教皇選挙)に参加する有権者の枢機卿たちは5月7日、バチカンのシスティーナ礼拝堂に入るとバチカンが明らかにした。実際に投票に臨む枢機卿の人数は133人になる見込み。
枢機卿たちは同日朝、聖ペトロ大聖堂内で「ローマ教皇選出のための」ミサをささげることでコンクラーベを開始し、夕刻に行列をしてシスティーナ礼拝堂に入る。
コンクラーベ開始の日取りは4月28日、第5回枢機卿総会で決まったと教皇庁広報局のマッテオ・ブルーニ局長が記者団に明らかにした。
80歳未満で選挙権があるはずだったアンジェロ・ベッチウ枢機卿は29日、2020年に教皇フランシスコにより枢機卿職の辞退を求められていたことから、教皇の遺志に従い、5月7日からのコンクラーベには参加しないと発表した。
4月29日に声明を発表したベッチウ枢機卿は、「私はこれまでもそうしてきたように、教皇フランシスコのご意思に従い、自身の潔白は確信していますが、コンクラーベには参加しないことを決断しました」と述べている。
76歳のベッチウ枢機卿は2023年にバチカンの裁判所から教皇庁国務省の総務局長だった時の横領容疑で有罪判決を受けた。教皇フランシスコは20年に同枢機卿に教皇庁の役職から退き、コンクラーベへの参加権を含めた枢機卿の権利と特権を放棄するよう求めていた。同枢機卿はバチカン裁判所による判決を不服として控訴している。
さらに、選挙権のある枢機卿2人が枢機卿団に対して公式に、健康上の理由でコンクラーベに参加できないことを通知してきたとブルーニ局長は4月29日、明らかにした。プライバシーを理由に2人の氏名は明かしていない。
これにより、選挙権のある枢機卿135人のうち133人がコンクラーベに参加する見込みとなる。この全員がシスティーナ礼拝堂に入るとなると、少なくとも全投票数の3分の2に当たる89票が新教皇の選出に必要となる。
