11月1日逝去。91歳。1934年秋田県生まれ。結核による長い闘病生活の中でキリスト教に触れて洗礼を受け、修道生活を志した。61年同会入会。新築された東京・渋谷の修道院で修練に入り、カナダ人の神父や修道士と共に中庭などの造成に関わった。68年から72年まで、京都の聖トマス学院でさまざまな仕事を担当した。73年から亡くなる時まで、渋谷の修道院で日常生活に関するほぼ全ての仕事に携わった。自らの仕事を通じて兄弟たちと小教区を支えるということは、ドミニコ会における説教の一つのありさまなのだ、という深い自覚を持っていた。物静かな中に強い意志を持ち、修道院と小教区の仕事を忍耐強く引き受け、修道院の兄弟たちのみならず、小教区と地域などの周りの人々からの信頼が厚かった。また、渋谷の街と動物をこよなく愛し、それらを通じて人の輪をつくっていった。近年、自身の衰えを自覚していたが、亡くなる当日まで周りの人々との会話を楽しみつつ穏やかに日々を過ごしていた。11月1日、諸聖人の日の夜、静かに旅立った。

