インスタグラマー・bonpon(ボンポン)さんインタビュー その時々の信仰心を大切に

 bon(ボン)さん(70)とpon(ポン)さん(68)夫妻のインスタグラム「bonpon511」は、フォロワー数が80万人を超えている。Ameba(アメーバ)ブログでは優れた書き手であることが認められ、「オフィシャルブロガー」にも選ばれている。二人が写真と文章で発信する日々の暮らしの楽しみ方や、共通の色・柄を取り入れたファッションは、あらゆる世代から支持を受けている。衣料品や雑貨を扱う会社とコラボレーションした服も、季節ごとに年4回発表している。
 仙台市の元寺小路(もとてらこうじ)教会の信徒でもあるbonさんとponさんに、SNSでの発信や信仰について話を聞いた。

元寺小路(もとてらこうじ)教会の入り口に立つbonさん(左)とponさん
 日々の記録で始めたインスタグラム

 二人がインスタグラムを始めたのは、2016年12月のこと。妻のponさんは「元々、お出かけする時の二人のコーディネートを記録するつもりで始めたんです」と話す。18年に出版した『セカンドライフ、はじめてみました』(大和書房)には、bonさんの退職と子どもたちの独立を機に30年暮らした秋田の一軒家を処分して二人で仙台に移り住むまでの経緯が詳しく書かれている。インスタグラムを始めた時のこと、一緒に出かける時の服装選びや日々の暮らしの工夫、そして二人のなれ初めなども紹介されている。
 本の出版から今年で7年になるが、大きな病気やけがもなく、二人の暮らしはさほど変わっていないという。二人で出かけることが多いが、「街を歩いていると、(インスタグラムを見た人から)声をかけられます」。仙台の街に今、二人の存在はすっかりなじんでいる。

 訪ねた教会をインスタグラムで紹介

 夫のbonさんは、祖父母の代からのカトリック信者の家庭で育った。新潟出身の祖母は、神言修道会の司祭から秋田で聖霊奉侍布教修道女会(聖霊会)の修道女らの協力者になるように推薦されて秋田へ。修道女に日本語を教えたり、同会が設立した女子職業学校(聖霊学園高等学校の前身)で生徒に教えたりしたのだという。
 退職するまでは仕事が忙しく、主日のミサへの出席もままならなかったbonさんだが、今は仙台教区の教区報の編集や、典礼や葬儀の準備などで忙しい。「朝ミサから夕ミサまで教会にいることもあります」
 関東出身のponさんは、東京の専門学校の同級生だったbonさんと結婚してからカトリックの信仰に触れた。二人の娘は幼児洗礼を受けている。長女に続き、次女がカトリック幼稚園に入園したのを機にカテキズム(要理)を学んだ。
 「(秋田では)私以外は(親戚を含む)家族全員がクリスチャンだったので、肩身が狭い思いもありましたが、洗礼は自分が納得してから受けたいなという気持ちがありました。幼稚園の行事で子どもたちがお祈りを覚えるのを見て、(徐々に)自分も洗礼を受けたいと思うようになって、(カテキズムの)勉強に通って、そこで納得したんです。自分に全然自信がなかったのですが、こんな自分でも神様は愛してくれるんだと感じました」
 同居していたbonさんの母親は、結婚当初から洗礼を強制することはなかったという。「気持ちには(洗礼を受けてほしいという思いが)あったと思います。見えないプレッシャーはありましたが、待っていてくれました」
 ponさんは34歳で受洗した。「洗礼を受けた時は、うれしくて涙があふれて止まりませんでした」
 bonさんは「年を取ってくると教会でお祈りするありがたみがわかってきます」と話す。「ご葬儀でご家族の話を聞くと、亡くなった方の人生を垣間見ることができます。信仰の在り方を目の当たりにすると、(自分に)信仰があることはありがたいと毎回思います」
 ponさんは信仰を持てたことで「いつも自分は一人じゃない、(神に)見守られているというのが心強いです。謙虚な気持ちを忘れないでいられます」。
 若い人たちへのメッセージを、という記者からの問いにbonさんは「私は熱心な信者ではなかったし、(小さい頃は)親に連れられて教会に行って神父様の話を聞く、というぐらいでした。でもその時々の信仰心を大切にすること、一回(信仰を)忘れても(また)思い出すから大丈夫だと伝えたいです」
 ponさんは「若い時は、仕事が忙しかったりして教会から離れることもあると思いますが、神様の存在は(ずっと)忘れないでほしいです」。
 洗礼を受けていない人にとって、教会は敷居が高いと感じられることがあるのではないかとponさんは話す。「『教会って誰でも入っていいんですか?』ってインスタグラムにコメントを頂くこともあるんです」
教会の敷居が低く感じられ、教会は誰でも入れることが伝わるよう、インスタグラムには二人で訪ねた教会の写真を載せている。「一人でも『(教会に)行ってみよう』という気持ちになってもらえたらいいなあと思って」とponさんは話していた。 

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