諦めずに平和を作り直す イエズス会社会司牧センター新春セミナー
ロシアのウクライナ侵攻のみならず、今年1月3日には米国がベネズエラで軍事行動を展開、2月28日には米国とイスラエルがイランを軍事攻撃した。世界は今、極度の緊張状態にある。
上智大学で政治学を研究している中野晃一さんを講師に招き、諦めずに平和の道を歩むためにはどうすればいいのかを考えるセミナーが3月4日、東京・千代田区の麴町教会ヨセフホールで開かれた。麴町教会とイエズス会社会司牧センターが共催し、70人余りが参加した。
安全保障とは互いの不安を取り除くこと
セミナーの冒頭、中野さんは「平和というものは尊いものですが、遠くにあるような感じになってしまった」と、最近の不安定な世界情勢についての印象を述べた。
中野さんはこれまでの日本の政治の流れと、今年の衆議院選挙結果を振り返りながら、反戦や平和実現のためには市民社会から立て直していくしかないと強調。米国との関係で日本の「軍事化」が進んでいることや、高市総理大臣の「台湾有事」発言をきっかけとした中国との緊張関係について解説し、「相手を威嚇することによって平和がつくれるという幻想に陥らないことが大切」だと話した。
日本は少子高齢化社会で、資源も乏しく、食糧自給率も低い。さまざまな課題を抱えながらも「日本の社会ができるだけ平和で安定で、そして近隣諸国とうまくやっていく中で、できるだけもう一度経済的に平等で公正な社会に変わっていくことをやるべきなんです」。
中野さんは「安全保障とは本来の意味で言えば、お互いの不安を取り除くこと」であり「近隣諸国と意見の違いがあったり、利益がぶつかることがあったら、それを話し合って、その不安を棚上げしたり、妥協したりすること」だとも指摘。日本が戦争の反省をきちんと踏まえて、近隣諸国への贖罪(しょくざい)と共に、自分たちが払った犠牲も考えて戦争はしないことが重要だと話した。
セミナーに参加した女性(50代)は2023年10月、イスラエルのガザへの攻撃が始まった頃から、平和について考えるようになったという。時々デモにも参加し、そこで出会った若い人たちが活発に活動している姿に影響も受けながら、社会運動を続けてきた。中野さんの話しを聞いて「(これまでは)暗い気持ちもありましたが、力付けけられました」と話した。
本セミナーはイエズス会社会司牧センターのYouTubeチャンネルで視聴することができる。

