昨年11月に日本カトリック司教協議会・社会司教委員会が発行した冊子『すべてのいのちを守る教会をめざして ハンセン病問題 過ちを繰り返さないために』を基に、ハンセン病問題を考える学習会が3月15日、東京・千代田区の岐部ホールで開かれた。
同冊子は、日本のカトリック教会にはキリシタンの時代から、ハンセン病医療に従事した多くの司祭、修道者、信徒がいた一方、教会は、およそ90年に及ぶ国の強制隔離政策の問題を指摘することができず、隔離を受容するよう導いてしまい、結果として人権侵害に加担してしまったとしている。
学習会は、同冊子の作成に関わった日本カトリック部落差別人権委員会委員の園部英俊さん(仙台教区信徒)と同委員会秘書の奥村豊神父(京都教区)による解説の後、質疑応答が行われた。その中で、「神学校の養成プログラムに学びの機会を設ける」、「信徒の声を聞くシステムを」、「当事者性が欠けると人権意識が欠ける」など、教会が同じ過ちを繰り返さないために必要なことについて意見が交わされた。
学習会の終わりに同委員会委員長の中村倫明(みちあき)大司教(長崎教区)が、「(教皇フランシスコの言葉のように)出向いて行って当事者と出会う大切さを学ばせてもらった気がします」と参加者への感謝を述べた。
同冊子は、カトリック中央協議会のウェブサイトからダウンロードできる。https://www.cbcj.catholic.jp/2024/11/29/30934/
