司教団、戦後80年でメッセージ  「平和を紡ぐ旅 ―希望を携えて―」

 日本カトリック司教団は6月17日、戦後80年に当たって、メッセージ「平和を紡ぐ旅 ―希望を携えて―」を発表した。対象は「平和を求めるすべての皆様、若者の皆様へ」。
 司教団は同メッセージで、日本がアジア・太平洋戦争以前から近隣諸国に対し、「多大な苦しみ」を与えてきたこと、カトリック教会が平和の実現に向かう役割を「十分に果たせなかった」ことを振り返る。その上でこうした過去を真摯(しんし)に受け止め、回心し、「次世代を担う人々とともに平和への歩みを進めていきたい」との姿勢を示した。
 同メッセージは過去だけでなく現在、ウクライナや中東、ミャンマー、アフリカ諸国などで戦争による惨状が生まれていることにも目を向ける。また軍備強化に向かう国が増えていることを憂慮し、日本でも「国是としてきた平和主義がかすんで」いると指摘。沖縄をはじめとする南西諸島で「『防衛』の名のもと」、ミサイル部隊が配備されていることにも言及する。
 核兵器の廃絶に向けては、前教皇フランシスコの「核兵器の保有はそれ自体が倫理に反する」という言葉を引用し、日本政府に対し、核兵器禁止条約の署名・批准を強く求めている。
 聖書が語る平和とは、単に争いのない状態を指すのではなく、神が良いものとして創造した世界の全てが尊重され、調和している状態だと訴える。最後に、教会にとって聖年にも当たる今年、「希望を携え、平和を紡ぐ旅を」共に歩んでいこうと呼びかけている。
 全文はこちらから。

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