能登半島地震から1年半となった7月1日、震災の犠牲者や被災した人たちを思う集い「ついたちの祈り ついとうの祈り」(主催・名古屋教区「カリタスのとサポートセンター」)が、石川県七尾市の聖母幼稚園前で行われた。集いの動画はこちら。
被災した石川、新潟、富山の3県では、災害関連死を含め618人が犠牲となった(7月1日時点)。

(写真提供:カリタスのとサポートセンター)
共に歩み続けるために
石川県は、今年10月を目途に被災建物の公費解体を完了する計画。解体の申請件数が増加する中、計画の解体見込み棟数の81%、申請棟数の74%に当たる約3万2000棟の解体が完了している(6月末時点)。
片岡神父は、いたる所で解体工事が進む様子に復興の勢いが感じられた一方、「空き地」が増えていくまちを見ていて「複雑な思い」になったとこう話す。
「初めて来られる方は、その空き地を見て何も感じないかもしれないが、震災時はそこに建物があった。これからこの空き地はどうなっていくのだろうか」
能登半島は過疎化が進む地域だ。だが震災後、自宅を公費解体した住民の中には経済的負担、今後の生活設計の不確実性、そして心理的負担などから自宅再建をちゅうちょし、解体後の土地を空き地のままにしている人たちもいる。自治体が公費解体で行うのはあくまで建物の解体と撤去までで、再建やその後の生活再建は対象外だ。
祈りの集いでは、犠牲者の安息とともに、今も親しい人を失った悲しみや、生活に不安を抱えている被災者と共に歩み続けていくためにと、参加者を祈りへと導いた。
「ついたちの祈り ついとうの祈り」は、震災1カ月後の2024年2月1日から毎月1日に行われている(初回の集いの動画はこちら)。
参加者はこの日も「いつくしみ深い神さま、あなたはどんな時にも私たちから離れることなく、喜びや悲しみをともにしてくださいます」という祈りの言葉で始まる以下の「ついたちの祈り」を唱えて、発災時刻の午後4時10分を迎えた。
「ついたちの祈り」
いつくしみ深い神さま、
あなたはどんな時にも私たちから離れることなく、
喜びや悲しみをともにしてくださいます。
今回の大震災によって、苦しんでおられるすべての方々の上に、
どうぞあなたの助けと励ましをお与えください。
また、亡くなられたすべての方々が、あなたのもとで安らかに憩うことができますように。
そして、いまこの時間も、それぞれの場でいのちを守るために尽力されている方々、
ボランティアの方々にも励ましと力をお与えください。
わたしたちの想いが皆ひとつとなって、一日も早く安心して暮らする日がきますように、
どうぞお導きください。
わたしたちもその日が来るまで、ともに生き、祈り続けます。
これから沈黙のうちに、ここに集まった、わたしたちそれぞれの願いとともに、
主イエス・キリストのみ名によって、この祈りをお捧げいたします。アーメン。
1分ほどの黙とうに続いて聖歌「いつくしみふかき」を歌い、会場の床に広げられた能登半島の地図の上に、一人ずつろうそくを置いて祈った。
最後に、小さな用紙に参加者それぞれの祈りを書き、木箱の中にささげて集いを終えた。
