将棋棋士で、タレントとしても親しまれたカトリック信者の加藤一二三(ひふみ)さんが1月22日、肺炎のため都内の病院で逝去した。86歳。
加藤さんは1940年福岡県生まれ。54年に当時の歴代最年少になる14歳7カ月でプロ棋士となり、A級(名人への挑戦権を争う順位戦の最高位クラス)にも最年少で昇級するなど天才棋士として注目された。数々のタイトルを獲得したほか、将棋界で多くの賞も受けている。77歳で現役最高齢勝利を挙げ、2017年に引退していた。
20代後半、棋士として行き詰まりを感じていた時、自身の子どもたちが通うカトリック学校を保護者として訪問する中で信仰と出会い、1970年に東京・下井草教会で受洗した。代父は作家の遠藤周作氏。その後所属した教会で結婚講座を長く担当するなど、教会活動にも積極的に関わった。86年には、職務や技能によって教会に貢献した人に授与される「聖シルベストロ教皇騎士団勲章」を、当時の教皇ヨハネ・パウロ2世から贈られている。
プロ棋士として地方で対局する機会が多かった加藤さんは、会場近くにあるカトリック教会を探し、対局前日によく聖堂で祈ったとカトリック新聞に語っていた。信仰に関する著書に『だから、私は神を信じる』(日本キリスト教団出版局)がある。
通夜は27日午後7時半、葬儀は28日午後1時半、東京・千代田区の麴町教会。

