教皇、「戦争の蛮行」を非難 イスラエルのガザ教会攻撃

【バチカン7月20日CNS】教皇レオ14世は、「戦争の残虐行為」と人々の強制避難を終わらせ、民間人と礼拝施設を守らなければならないと訴えた。
 「この数日間、悲劇的な報道が中東地域、特にガザから届き続けています」と教皇は7月20日、ローマ南東のカステルガンドルフォの教皇宮殿の外に集まった人々と「お告げの祈り」を唱えた後に語った。
 「私は改めて、戦争の残虐行為をすぐに終わらせ、紛争を平和的に解決することを求めます」と教皇は強調する。
 「私は再び国際社会に訴えます。人道法を順守して、民間人を保護する義務を守り、集団的懲罰と無差別な武力行使、人々の強制避難を禁止してください」と教皇は続ける。
 教皇は「ガザのカトリック聖家族教会へのイスラエル軍の攻撃について、深い悲しみ」を表した。7月17日に発生した攻撃で信徒3人が死亡し、重症者を含む少なくとも10人が負傷した。
 「私は犠牲になった方々のために祈ります。サード・イッサ・コスタンディ・サラメフさん、フーミア・イッサ・ラティフ・アッヤードさん、ナジワ・イブラヒム・ラティフ・アブ・ダウードさん。そして私は特に、ご遺族の方と小教区の信徒の皆さんに寄り添っています」と教皇は語った。
 「悲しいことに、ガザの民間人と礼拝所に対して続いてきた軍事攻撃に、今回の事件が加わってしまいました」と教皇は嘆いた。

 あまりにも多くの戦争に 「世界はもう我慢できない」

 教皇レオ14世は「お告げの祈り」の前に、近隣のアルバーノ・ラツィアーレの大聖堂でミサをささげて戻って来たところで、夏季別荘の前で待っていた記者団と話した。
 記者団が中東地域の紛争、特にガザでの戦闘について質問すると、教皇は答えて、紛争当事者が「対話のテーブルに着いて、武器を置く」必要があると語った。「世界はもうこんなことには我慢できないからです」
 「あまりにも多くの紛争とあまりにも多くの戦争があります。平和のために真剣に尽力する必要があります。神に信頼して祈るだけでなく」、そうした努力に向けて「力を尽くすのです」。
 聖家族教会攻撃の翌日、7月18日のイスラエルのベニヤミン・ネタニヤフ首相との電話会談については、教皇はこう答える。「私たちは、あらゆる宗教の聖なる場所を守る必要について強調し、このために共に努力することを確認しました」
 ただ、教皇はこれに付け加えて、必要なのは「人々と聖なる場所を真に尊重すること、あまりにも多くの暴力、あまりにも多くの憎しみ、あまりにも多くの戦争を捨て去るために力を尽すことです」と強調した。

 中東地域のキリスト教徒は 教皇と全教会の心のうちに

 教皇レオ14世は、「お告げの祈り」の後で、「私たちの愛する中東地域のキリスト教徒の皆さん」に語りかけた。
 「こうした深刻な状況を前にして、できることは少ないと感じておられる皆さんのお気持ちに、私は心から同情しています」と教皇は自身の思いを伝える。「皆さんは教皇と全教会の心のうちにおられます。皆さんの信仰の証しに感謝しています」
 教皇はおとめマリアにとりなしを祈り、「いつも皆さんを守り、平和のあかつきの光に向かう世界に同伴してくださる」ようにと願った。

7月20日、ローマの南東カステルガンドルフォの教皇宮殿前の広場で主宰した「お告げの祈り」を終えて、集まった人々にあいさつする教皇レオ14世(CNS photo/Vatican Media)
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