シノドス事務局が指針を発表 「実践段階」を歩む地方教会

【バチカン7月8日CNS】全世界の地方教会と司教たちは、シノダリティー(共に歩む旅)についてのシノドス(世界代表司教会議)第16回通常総会の2024年『最終文書』https://www.cbcj.catholic.jp/publish/synod16_finaldoc/)による提案の実践を進め、その精神を養う上で重要な役割を果たす、とバチカンのシノドス事務局は指摘している。
 宣教の使命をより効果的に果たすために、シノドスの実践段階が「目指すのは、教会の営みをよりシノドス的(共に歩む形)にする新たな実践と構造を試行することです」とシノドス事務局が7月7日、公表した新しい指針は強調する。
 「具体的に言えば、優先されるのは、神の民が共に歩み、そうした体験について考察する新たな機会を提供することです。それは宣教の使命の実りを実感し、分かち合ってもらうためです」と指針は説明している。
 24ページに及ぶ文書は「シノドス実践段階のための旅程」と題され、司教たちとシノドスチームに指針を示し、シノドス『最終文書』の提案を地元の教会で実践する上での発案を分かち合うよう招いている。さらには、最近シノドス事務局に寄せられた主要な質問への回答も示そうとしている。指針の本文は同事務局のウェブサイトhttps://www.synod.va/en/the-synodal-process/phase-3-the-implementation/resources.html)で、6カ国語で公表されている。

 「サポーター」だけのシノドスではない
 
 四つの章に分かれる指針は、以下の設問への答えを示す。・実践段階とその目的とは何か・実践段階に参加するのは誰で、その任務と責任は何か・実践段階で『最終文書』をどのように活用するのか・どのような方法と手段で実践段階を進めていくのか。
 指針は強調している。地方教会は実践段階で積極的な役割を果たさなければならず、それには、疎外されている人や若者たち、シノドスの過程に抵抗を示している人などの多様な共同体とも接触を図ることも含まれる。「真に共に歩むためには、そうした人々の視点による寄与をみすみす取り逃すことはできない」からだ。
 実践過程の活動は小教区を超えて、学校や病院、刑務所やデジタルプラットフォームにも広げなければならず、修道会や運動体、活動団体との関係も、使命の遂行のために必要な多様なたまものをさらに交換し合うために強化するべきだ、とも指針は強調する。
 「シノダリティーは『教会を成り立たせているもの』(『最終文書』28)なのですから、『サポーター』からなる中核的なグループに限られた旅程として扱うことはできないのです」

 『最終文書』の熟読から始める
 
 実践段階の第一の責任者は教区司教だと指針は指摘する。「司教には、実践段階を開始し、公式に時間と方法と目的を設定して、その進捗(しんちょく)に寄り添い、結論に導いて、その結果を評価する責任があります」
 シノドスチームと参加団体の存在「も、実践段階に必要不可欠」だと指針は強調し、「既存のチームの再評価を行い、必要なら刷新するべきであり、活動を中断しているチームがあれば再開させて、適切に組み入れるべきです。そして新しいチームも、あらかじめ設立されていなければ、設立するべきです」と付け加えている。
 シノドスの実践段階は2024年11月に教皇フランシスコによって立ち上げられた。前教皇が各教会と司教協議会、その連合体に求めていたのは、「種々の法や本文書(『最終文書』)自体が定める識別と意思決定プロセスを通して、文書に示されている権威ある指示をおのおのの文脈に応じて実現していく」ことだった。
 教区(部分教会)、地方教会、大陸レベル、世界レベルで進められる3年間の実践段階は、2028年10月にバチカンで開催される「教会総会」で完結する。「実践段階の実りを分かち合い、評価を行うためです」と、シノドス事務局次長を務めるグザビエル宣教修道会のナタリー・ベッカール修道女は説明する。
 「実践段階を開始する最善の方法は、シノドス『最終文書』を熟読することです。この実践段階の基準を示す文書だからです」と7月7日、ベッカール修道女はバチカンニュースによるインタビューで語った。

6月26日、バチカンで開かれたシノドス事務局の通常評議会であいさつする教皇レオ14世(CNS photo/ Vatican Media)
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