7月9日、急性心不全のため逝去。93歳。1931年東京都生まれ。戦時中、母の思いで学童疎開をせず、空襲により毎晩火の海に囲まれ、家族と共に恐怖を体験した。終戦を迎え、長崎で同会が大きな痛手を受け、原子野から大村の仮住まいに移転していた頃、学生志願生として入会した。授業が終わると野菜作りに精を出し、貧しいながらも温かく細やかな心遣いで教え導いた初代会長シスター江角(えずみ)ヤスに育てられた。57年初誓願。66年終生誓願。初誓願後、東京、広島、長崎で幼稚園教諭や園長として園児、保護者、教会の信徒らとの関わりの中で宣教に力を入れた。職務を終えた99年からは長崎の同会諫早修道院で、院内の奉仕や教会のサクリスチア(香部屋)係として役割を果たした。2008年には東京の八王子修道院に派遣され、那須(栃木)の黙想の家で自分にできる奉仕に励んだ。歩行困難となり、16年からベタニア修道院で療養生活を送っていたが、介護度が高くなり養護老人ホームに入所。今年6月末にロザリオの聖母修道院(以上長崎)に戻ったが、7月9日に容態が急変し、急性心不全のため静かに御父のみもとに召された。
