きょうをささげる(教皇による祈りの世界ネットワーク)7月

【教皇の意向:識別する力を養う】
 人生の道を選択する上で、キリストや福音から私たちを遠ざけるものをいかに退けるか、つまり、どのように識別するかについて、改めて学ぶことができますように。
【日本の教会の意向:人間の尊厳】
 一人ひとりの人間としての権利や尊厳が保たれ、脅かされることのない社会を築いていくことができますように。

 識別で最も大切なことは、人生の究極の真理と目的を明確にすることです。究極の真理とはイエスの生涯と福音によって示された、全ての人に及ぶ神の限りない愛です。そして、究極の目的とは神の愛に応えて「神を愛し、人を愛する」ことです。これはどの立場の人にも求められるものです。また識別で大切なのは、それを妨げるものを見分けることで、その最大のものはエゴイズム(利己主義)です。識別の際は神の前に自分を置き、愛の神と響く心でエゴ(自我)から離れ、そこから「神を愛し、人を愛する」のに最もふさわしい選びをしていくことです。ゲツセマネはイエスの最も大きな識別の時だったと言えます。イエスに倣うことで、イエスから識別を学べるよう祈りましょう。
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 「この最も小さな者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである」とイエスはおっしゃいました。日本では人間の尊厳は法的には保障されていますが、実際には制度の限界や社会習慣によって尊厳が侵される場合も多くあります。過労死がいまだに多く起こり、生活の不安定をもたらす非正規雇用も広がり、外国人労働者への人権侵害も見られます。障害者施設での入所者への虐待や差別も報じられており、女性や子どもへの家庭内暴力や差別、児童への虐待やいじめも多く報告されています。イエスの言葉に応えて心に慈しみを養い、人間の尊厳を育む社会を築いていけるよう祈りましょう。

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