「ごらんよ空の鳥」など作曲 新垣壬敏さん逝去

 「ごらんよ空の鳥」や「マラナタ」などの典礼聖歌で知られる作曲家の新垣壬敏さんが10月2日、大動脈弁狭窄症による心不全のため東京都内の病院で逝去した。85歳だった。
 新垣さんは1938年、沖縄出身の父の移住先だったフィリピンで生まれた。68年に国立音楽大学を卒業。第2バチカン公会議(1962~65年)の後、カトリック教会が典礼の国語化を進める中で、日本語のミサ曲や一般賛歌などの典礼聖歌作曲者の一人として教会に貢献し、その作品は全国のカトリック教会で愛唱された。
また「マラナタ」「主が手をとって起こせば」「わたしたちは神の民」などの歌は日本基督教団が編纂した『賛美歌21』にも収められ、教派を超えて歌われた。
白百合女子大学教授、東京カトリック神学院講師、東京純心女子大学特任教授などを歴任。
幼い頃、フィリピンで戦争を体験し、その後、沖縄に戻ったことから平和への思いも強く、1990年には賛歌「平和の歌―ヌチドゥタカラ(命こそ宝)―」を作曲している。2013年に第48回「沖縄タイムス芸術選奨洋楽・邦楽部門(作曲)功労賞」(沖縄タイムス)を受賞している。

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