【バチカン10月26日CNS】
カトリック教会が、よりシノドス的な(共に歩む)教会になることを願っているのなら、小教区や教区は早急に、諮問機関を活性化し、既に教会法で前提にされている宣教と司牧への広範な参加を促さなければならない、とシノドス(世界代表司教会議)の参加者たちは指摘している。
「短期間のうちに目に見える変革がなければ、シノドス的な教会のビジョンには信頼性がなくなり、シノドスの旅路から力と希望を得ていた神の民のメンバーたちを遠ざけてしまうことになります」と10月26日、バチカンで採択されたシノドス最終文書は強調する。
教皇フランシスコは2021年に今回のシノドスを招集し、各小教区と教区、司教協議会に対して、23年の第1会期を前に意見聴取の会議を開くよう呼びかけた。第1会期とほぼ同じ参加者により開催中の第2会期は10月2日に、バチカンでのミサで開会していた。
シノドス参加者たちは、最終文書の155項目について投票した。その内容が教皇フランシスコに提案または依頼することの中には、長期的なプロジェクトもあり、女性助祭の可能性についての識別の継続や神学校での養成を改革する必要性、司教の選任に信徒がさらに関わる可能性の検討などがある。
早急に実現できる可能性があり、そうすべきだとされる以下のような動きも提案されている。神学校での教員にさらに多くの女性や信徒を起用すること。司教たちに各小教区での司牧評議会の設置を義務付け、司祭たちには、真に小教区の全信者を代表するものとして、評議会の助言に耳を傾けさせること。
女性の役割について残る課題
シノドス関係者によると、最終文書の全項目が出席していた355人の投票権のある参加者たちの3分の2以上の賛成により採択されたという。採択に必要なのは237票だった。
教会内での女性の役割を増強することについての項目では、全項目中で最多の97の反対票が投じられた。258人は賛成した。この項目は、必要な66%の賛成票に対して、72%を得て採択された。
「端的にまとめて言えば、シノダリティーは霊的な刷新と機構改革の道筋で、教会をもっと参加型で、宣教する教会として、キリストの光を輝かせながら、全ての男女と共に歩ませることができます」と最終文書は説明する。
シノドス的な教会では、信者たちの役割はそれぞれ違っても、教会の全信者と宣教の使命のために全員が共に歩む。
23年の第1会期で発表されたまとめの報告書と同様に、今回の最終文書は「LGBTQ」や「同性愛」という言葉を使わず、ただ短く、「結婚の状態またはアイデンティティー(出自)、セクシュアリティー(性的指向)のために排除または差別されていると感じて苦しみを体験している」人々に手を差し伸べる必要性に触れている。
最終文書は繰り返し、洗礼の恵みによる男女の「平等な尊厳」に言及して、カトリック教会は、女性の教会生活や使命への貢献、さらに貢献できる可能性を認める上で、さらに多くのことをする必要があると強調している。
「それでも女性たちは、教会生活のさまざまな分野の全てで、そのカリスマや召命、役割を十分に認められる上での障壁に遭い続けています」と最終文書は指摘する。「このことは教会の共通の使命に奉仕する上で不利益になります」
「さらに、女性が助祭職に就く可能性の検討はまだ継続中です」と参加者たちは確認する。「この識別は続けていく必要があります」
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性虐待や聖職者
主義にも言及
最終文書は繰り返し、司祭による性虐待や権力の乱用の犯罪と罪について認めた上で、特にシノダリティーの精神に従って、耳を傾けることや透明性と説明責任を確保することが虐待の予防に欠かせないとしている。
さらにシノダリティーは、「聖職者主義の克服の助けにもなります。それは自分の利益のために権力を行使し、神の民に仕える教会の権威をゆがめるものです。特にそれが表れるのは、教会の司牧者によるあらゆる形の虐待であり、性的または経済的な虐待、精神的な虐待、権利の乱用です」と最終文書は付け加えている。
シノドス最終文書採択 早期に全信者の参加を促す
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